新しい生活が始まり。そして終わる。しかし、それはまた新しい生活への始まりでもあった。
肌に心地いい四月の風。
活気と眠気を両方運んでくる。
春。
終わりの季節。
春。
始まりの季節。

「よし・・・と。これでだいたい終わったかな」
ふぅと一息ついて、僕は腰に手を当てた。
部屋を見回してみる。
つい半月前までは、生活の匂いが満ちていた。
冷蔵庫には食材がたっぷり詰まり、棚には皿が積まれ、食卓の上には、調味料が置かれ、いつでも生活を続ける事が出来ていた。
だが、今は、段ボール箱の中に、僕の生活全てが引っ越していた。
何もないがらんとした部屋に積まれた段ボールを見ていると、ちょっとだけ理解不能な芸術を展示したホールに居るような気分になる。
無機質な事、この上ない。
僕は、一つ伸びをして、身体の中の凝り固まった物を弾き出してから、自分の部屋へ向かった。
「美樹ちゃん。終わった?」
部屋のドアを開けると同時に言った。
引越しのラストスパート。美樹ちゃんが買って出た手伝いを素直に受けて、今部屋の整理をやってもらっている。それの進み具合を見る為だ。
当然、すっかり片付いている物だと思った。元々小物類の整理だけだから、手伝って貰うまでも無かった筈なのだから。
僕が予想していたのは、美樹ちゃんの笑顔だった。荷物をすっかり片づけて、ほっと一段落ついている姿だった。顔を覗かせた僕に向かって、終わりましたと言ってくれるに違いない。そう思っていた。
「あ・・・・」
美樹ちゃんが、覗き込んだ僕の方をむいてきた。
予想とは違う表情で。
「美樹・・・ちゃん?」
開いた段ボールを前にして、膝立ちのまま、中身を覗き込んで居たのかもしれない。
手は、箱の縁に置かれたまんま、動いていた形跡すらない。
まだ終わってなかった事よりも、なんで固まっていたのか。
それが気になってしょうがなかった。
「どうしたの?」
「え? あ・・ご、ごめんなさい・・・」
美樹ちゃんは、微笑んでそう返してきた。
微笑まれなかった方が良かったかもしれない。
笑顔の成分が混ざった寂しそうな表情は、胸を締め付ける毒があった。
「な、なに?」
理由が知りたかった。なんでそんな表情をしているのかと。
「い、いえ。なんでもないんです。ちょっと・・・」
「ちょっとって。なに? どっか具合悪くなったの?」
違う。と、分かっていた。しかし、思い当たる原因さえ分からない。わからないからそうだと思うしか無かった。
「・・・・・・」
美樹ちゃんは無言だった。違うと答えたような物だ。
まさか、部屋の整理が嫌だったのだろうか。いや、そんな筈は無い。来た時は、笑顔を見せ、張り切って僕の部屋へ向かった筈だ。
「あの・・・ …さん」
「ん? なに?」
弱々しい笑顔さえも消えた顔に、僕が逆に笑顔を浮かべて答えた。
美樹ちゃんが泣いた時や困っている時、、僕が困った顔で迎えるよりも、笑顔で迎えた方が、結果は良かったし、受け止めるには最適な表情だとも思ったからだ。
「・・・・」
僕は、美樹ちゃんが無言でも待った。
言いたい事があるなら、必ず言ってくれる筈だと信じているからだ。
終業式の日に、気持ちを通じ合わせた故だと言ったら、格好の付けすぎだろうか。
「ここ・・・出ていっちゃうんですよね」
どんな事を聞かれると思ったが、美樹ちゃんが言ったのは、そんな事だった。
「そうだね」
「あ、あの・・・ …さん」
「なに?」
何か、喉につかえている物を一生懸命出そうとしている美樹ちゃんの表情を見て、正直すこしじれてきたが、あえて聞かずに待った。
「引越し・・・やめる訳にはいかないんですか?」
意志が固まったのかもしれない。美樹ちゃんの目には、なにかすがるような真っ直ぐさ、刺さるような物を感じた。
「な、なに? いきなり」
予想もしてなかった言葉だった。
「お願いです。引っ越すのやめでください」
堰を切ったようにというのは、今の美樹ちゃんに相応しいかもしれない。同時に僕に飛びつくように抱き着いてきた。
「み、美樹ちゃん。どうしたの?」
僕は、抱きしめるのも忘れて、慌てていた。何がなんだかさっぱり分からない。
「行かないで。どこにも行かないで・・・お願い・・」
声には涙が混じっていた。間違いない。
「ちょ、ちょっと・・・」
心を伝え合ったあの時、美樹ちゃんの涙を見る事は、これから先無いと信じていたが、それは早くも裏切られた。

どれくらい経っただろう。
鳴咽が収まった頃には、美樹ちゃんの体温は、僕の体温と溶け合っていた。
その頃には、僕の腕も美樹ちゃんを包んでいた。
なんのせいで泣いているのか分からなかったが、すがって泣いている美樹ちゃんを包まないで居られる訳はない。
「落ち着いた?」
優しく聞けただろうか。自信が無い。
胸の中で、美樹ちゃんが小さく肯くのが判った。
「訳・・・話してくれるよね?」
美樹ちゃんが肯いた。

泣き顔を見せるのが恥ずかしいのだろうか。
美樹ちゃんは、僕の隣に座って、肩を触れ合わせていたが、顔は逸らせていた。
「…さんがここを出ていったら、ただの思い出になっちゃうんじゃないかって・・」
僕に言っているというより、自分の心の中だけの事が、外に漏れているんじゃないかと思うような口調だった。
「そっか・・・」
「またここに別の人が住んだら、わたしたちの場所が無くなっちゃう」
僕の方に向き直って言った。
涙が、また美樹ちゃんの所にやってきて、声を微かに震わせているのがわかる。
今の僕に出来る事を考えた。答えは正しいかどうかわからなかったが、一つだけ浮かんだ事を、すぐに実行した。
柔らかい匂いが近づき、柔らかい感触が唇を通り過ぎる。
面食らった表情とはこんな表情だろうか。涙を浮かべる事さえ忘れ、おそらく閉じる事さえ忘れていた瞳が、僕を見ていた。
「ごめん・・・」
謝ったのは、泣き止ませようとしてした事とは言え、不意打ちしてしまった事に対してだ。
自分のした事に、自分で照れ臭くなって、僕は視線を逸らした。
そのまま何も言わず、僕は、鼓動も気持ちも落ち着つくのを待った。
「そうだな・・・僕がここを出ていったら、もう何も残らないな」
「・・・・」
「ここに来る事も無くなるし、来たって、もうここは僕達の居場所じゃなくなるしね」
美樹ちゃんが言いたかった事は、僕にも分かっていた。分かってはいたが、実感はまるで無かった。美樹ちゃんに言われるまでは。
「ここって、私達とずっと居てくれましたよね。住んでる時は何とも思わなかったけど、離れてみて判ったんです。わたしたちの事、ずっと見守ってくれてたんだなぁ・・・って」
「確かにね」
僕は、部屋の天井を見た。一年間、寝る時には必ず見た物だ。変わる事は無いと思っていた 先に離れた美樹ちゃんが、違いを感じた事を言うまでは、僕も気づかなかったかもしれない。
「私達が居なくなったら、ここ、また誰かの居場所になっちゃう。この部屋だって私達の事忘れて、誰かの為の場所に・・・それがやなんです」
「・・・・」
美樹ちゃんの言いたい事は、痛い程わかった。
僕にしても、美樹ちゃんに負けないくらい、この家には思い入れがある。出来れば、出て行きたくはないとさえ、今でも思っている。ただ、大学に進む事になったとはいえ、両親が帰国して、新居に住むとなると、僕だけここに住む訳にもいかない。
なにしろ、仮にも大学生だ。両親への負担も多くなる。それに、援助無しに、ここに住み続ける程の金を貯めている余裕も無いだろう。
もともと、僕・・・いや、僕達には過ぎた場所だった。
「うまく言えないけどさ・・・美樹ちゃんの気持ちも判るよ。でも・・・」
何も出来ない事が悔しかった。
「わかってます。ごめんなさい・・・」
「でも、でもさ。あの時言ったじゃないか。絶対ここに戻って来ようって。二人で一緒に・・・」
気持ちを伝え合った後、僕たちは約束をした。その約束が、僕の中で膨らんだ。
「また戻って来れるんだから、それまでしばらくのお別れって事だよ。大丈夫。絶対待っててくれるって、忘れたりする訳ないよ。ここも」
僕が笑顔で言ったからだろうか。美樹ちゃんの表情にも笑顔が浮かんでいた。
「そう・・・そうですよね。待っててくれますよね?」
信じたい。今はその気持ちにすがるしかない。少しだけそんな風に思える声だったが、気持ちがプラスに向いていれば、なんとでもなるだろう。僕に出来る事は、追い風を送ってやる事だ。美樹ちゃんだけじゃない、自分自身に向かっても。
「ああ、待っててくれるよ。今度一緒に住む時は、もう誰に見られたって構わないんだから、堂々と表の方の階段から二人揃って入ろう」
「二人で一緒にお買い物とかも行けますよねっ。腕とか組んで」
美樹ちゃんが、迫るような勢いで、僕に近づいて来る。
「行ける行ける。ばんばん行ける。誰にも隠す必要無いんだから」
「じゃあ、じゃあ・・・」
何かを言いたくて、何も出てこない。言いたい事が心の中に溢れてくるのに、喋る口は一つしかないもどかしさが、僕にも伝わってくる。それでも、楽しい事なのか、美樹ちゃんの表情が輝いていた。
「なんでもいいよ。戻って来たら、やりたかった事、全部やろう」
「ほんとですか? 約束ですよ!」
「約束なら、あの時にしたろ」
「ふふっ・・・・そうでしたよね」
いつもの美樹ちゃんが帰ってきた。似合うのは、やはり笑顔だ。
「それじゃ、とりあえず最後の片づけやっちゃおう。終わったら飯食べようよ」
「はいっ。それじゃ私、ちゃっちゃとやっちゃいますね」
勢いよく立ち上がった美樹ちゃんは、頭にしていたリボンを解いて、長い髪を束ねた。本気の家事の時にしていた格好だ。
さっき、ああは言った物の、こんな時間がずっと続けばいい・・・と、思いながら、鼻歌混じりで片づけている美樹ちゃんを見ていた。
良く美樹ちゃんが聞いていた曲だ。僕もその影響か、鼻歌程度では合わせられるようになっている。ゆっくりと美樹ちゃんに合わせた。
がらんとした部屋に響いた鼻歌には、僕と美樹ちゃん以外に、誰かがもう一つ重ねてきているような気がした。
いつになるか判らないけど、また・・・な。
僕は、座ったままゆっくりと壁に背中を預けて、僕の中だけで呟いた。

「美樹ちゃん、忘れ物ない?」
僕は、コートを着ながら、先に三和土に降りている美樹ちゃんに聞いた。
美樹ちゃんを送る違和感、未だに慣れない。
「はい・・・あ」
何かを気づいたのか、小さく声を上げた。
「なんか忘れた?」
「あ・・・ううん。違うんです。ただ・・」
「ただ?」
「やっぱり慣れませんね。これ」
僕と同じ気持ちなのか、そう言って美樹ちゃんは苦笑した。
「・・・・」
僕が玄関に立ち、美樹ちゃんがそんな僕に向かっている。家まで送るとは言え、帰るのは美樹ちゃんだけだ。僕は、まだここに戻らなくてはならない。ついこないだまで、美樹ちゃんもこっち側だった。僕にしても、美樹ちゃんを送るのが、不思議でならない。
「そりゃ、僕も同じだよ」
「・・・・ふふ」
「はは・・」
僕達は笑い合った。
笑ってさえいれば、このままで居られる。少なくとも、僕はそう思った。
思ったついでに、心の奥で小さな種が弾けた。その芽が、美樹ちゃんの笑顔でどんどん育っていくとは、思いもしなかった事だった。
「・・・帰らない・・・って訳には・・・」
聞こえないなら聞こえない。聞こえたらそれはそれでいい。美樹ちゃん次第だ。という小さな声が思わず出た。代償は、鼓動の高鳴りだ。
気弱な確信犯とは、こんな気分なのではないだろうか。
「え・・?」
「あ・・・と、ほら、行こう」
美樹ちゃんの表情を見て、僕は慌てて靴を履いた。この後に及んで、僕は何を言ったのか。とんでもない事を言ったのではないか。なんて事を、美樹ちゃんの表情を見て思った。
お互いの気持ちを知らない同士だった頃とは、言葉の意味が違う。
靴の踵を踏んだまま、美樹ちゃんを通りすぎて、ドアを開けようとした時、美樹ちゃんの手が、ドアノブにかかった僕の手の上に重なった。
柔らかさや、思ったよりひんやりしていた事よりも、少しだけ湿っている事に、真っ先に反応したのは、僕の鼓動だ。
美樹ちゃんを見ると、僕を見ていた。真っ直ぐに。その目と合った瞬間、逸らせなくなっていた。美樹ちゃんと知り合ってから、こんな事になったのは、初めて気持ちを伝え合った時以来だ。
声を出せなかった。いや、言葉が無かった。
ただ、美樹ちゃんの視線と、僕の手の上に重なっている感触だけが現実で、後は曖昧な感じだ。
「・・・・わたし・・・まだ居ても・・・」
ぎりぎり、僕にだけ聞こえるような声で言った。少しでも離れたら聞こえないんじゃないかと思う程、小さな声だ。
「え・・と、いや、いいよ。もう暗くなってきたし・・・」
最初に引き止めたのは僕の筈なのに、今その僕は居ない。
しかし、無理矢理引き戻すものがあった。
言葉じゃない。
僕の手の上に重ねてきた、柔らかい手に篭った力だった。
同時に、鼓動が高鳴っていく。触れられた部分から、伝わってしまうんじゃないかと思う程に。
思えば、このドアを開けた時から、僕と美樹ちゃんは始まった。こんな風になっていくなんて思いもしなかった頃だ。今、ドアを開けさせてくれない手は、一年前までは、お互いの存在さえも知らなかった子だ。
僕は、重ねられた手の上に、更に自分の手を重ねた。
確かに、僕の手の下にある。
僕の事を思ってくれている子の手が。
いてもたっても居られなくなって、僕は美樹ちゃんの手を退けると同時に、身体ごと抱きしめた。
衝動的と言ってもいい。
美樹ちゃんの身体は、信じられないくらい柔らかかった。包んだ形に変わってくれているんじゃないかと思った程だ。
「…さん、痛い・・・です」
弱々しい声がした。
僕はかまわずに、力を緩めないで抱きしめ続けた。拒否の響きが無かったせいもある。
離したく無かった。今離したら、胸の中がスカスカになってしまいそうだったからだ。
こうしているのが普通なんじゃないか。離れるのは不自然な事だ。なんて思いさえする。
美樹ちゃんは、もう何も言わなかった。じっと黙って耐えているのだろうか。
そう考えた瞬間、不意に僕は、我に返って美樹ちゃんを離した。
「ご、ごめん・・・」
おかしな話だ。あんなに離したくなかった筈なのに、今じゃ後悔の嵐だった。もちろん、離したくないという気持ちが後悔な訳じゃない。痛いと言われても抱きしめ続けてしまった事がだ。
「わたし。居なくなったりしません。だから・・・」
一瞬、僕は美樹ちゃんが何を言っているのか分からなかった。こんな事を言わせるような事を何時言ったのか。
「美樹ちゃん、何言って・・・」
続けようとした言葉が途切れた。
僕が美樹ちゃんにした事を、美樹ちゃんが僕にしてきたからだ。
抱きしめた時とは違う柔らかさ。
僕の背中にそっと回った腕に篭る力を感じる。
天使の羽で包まれたら、きっとこんな気持ちになるに違いない。
おまけに、ふんわりと柔らかそうないい匂いがした。がむしゃらになってたさっきまでは、感じなかった匂いだ。
おかしな話かもしれないが、美樹ちゃんが、さっきなんであんな事言ったのか、僕にはわかるような気がした。確信と言ってもいい。
僕は結局何も言っていない。ただ離したくない一心で抱きしめただけだ。美樹ちゃんがどこかへ行ってしまうんじゃないかと思っていたのかもしれない。こうして抱きしめられて、それを実感した。離したくない時は、こんな抱きしめ方をするんだな・・・と。
「わかったよ」を、言葉じゃなくて、行動で示した。
もう一度美樹ちゃんの背中に手を回した。
優しく抱けているだろうか。
心の奥のさらに隅っこの方で、そんな事を考える余裕さえある。
その余裕がいけなかったのだろうか。
こんな時に絶対鳴るべきじゃない音がした。腹の虫が催促する、無粋極まりない鳴き声だ。
「あ・・・」
僕と美樹ちゃん、声が重なって、思わず顔を見合わせた。美樹ちゃんの瞳が、すぐ近くにあるというのは、これはこれで恥ずかしい。
これで、お互いなんとなく満足したのか、どちらからともなく離れた。離れた美樹ちゃんの代わりに、胸元に冷えた空気がすぅっと流れ込んでくる。
「そういや、まだ飯食ってなかった」
「ふふ・・・」
僕が目を逸らして言った言葉に、美樹ちゃんは笑い声を乗せてきた。
「今日の当番、わたしがやります」
「・・・うん」
まだ一緒に居られるなら、なんでも良かった。美樹ちゃんにはもう関係無い当番制が束の間復活しても。いや、むしろ望むところか。
「何が食べたいですか?」
「何って言われても・・・冷蔵庫の中、ほとんど空っぽに近いけど」
「それじゃ、お買い物でも。しばらくここで三人で食事する事もなくなっちゃうし」
「三人?」
僕は、思わず聞き返した。
一人。僕達の間に割って入った奴が居ただろうか。
「…さんと、わたしと・・・あと」
美樹ちゃんが、目だけを小さく動かして、辺りを見回した。それだけで、僕には分かった。
「確かにね」
僕も、辺りに目を向けた。
壁。天井。空気。匂い。光。
そうか・・・そうだよな。
視線を戻した。
美樹ちゃんが居た。一年前までは知らなかった子。今は、当たり前の様に僕の目の前に居る。
「それじゃ、何作ろうかな・・・あれも作りたいし試したい事もあるし・・・」
「あ、あのさ、そういうのは行きながら考えようよ」
僕は美樹ちゃんを促した。このまま考え込まれたら、レパートリーはともかく、料理の量が増える一方だ。迷うくらいなら、迷った分だけ作る。そういう子だ。
僕はドアを開けた。
春とはいえ、冷えた夕暮れの空気が、ドアを開けた勢いで流れ込んで来る。
それでも、春の匂いは微かに感じた。
一年前のあの時も、丁度こんな匂いがしてたっけな。
一年経っても何も変わってない。
「んじゃ、行こうか」
「うんっ」
いや、変わったことだけは一つある。美樹ちゃんが僕の一番側に居てくれるようになった事だ。
「決めました。今日のメニュー」
ドアを出た美樹ちゃんは、言った。
「まだ考えてたの?」
「大変なんですよ。メニュー考えるのって」
「そりゃわかるけどさ」
その苦労がわかるだけに、僕は苦笑した。

end

作品情報

作者名 じんざ
タイトルふたりぼっち
サブタイトル
タグずっといっしょ, ずっといっしょ/ふたりぼっち, 石塚美樹, 青葉林檎
感想投稿数154
感想投稿最終日時2019年04月16日 08時42分56秒

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