OP撮影終了後・・・
「お疲れさまでしたー。」
「お疲れー。」
ガヤガヤガヤガヤ・・・
打ち上げパーティが始まったところに一人のディレクターとアルベルトがやって来た。
「ヘキサ君、ヘキサ君。」
「何だ?」
好物のケーキを食べながらこちらを振り向く。
「お前、何であの時爆弾使った!」
アルベルトが凄い剣幕で詰め寄る。
「別にいいじゃねーかよ。」
「良くねーんだよ!」
アルベルトとヘキサの口喧嘩が始まる。
「どうしたの?」
ヴァネッサ以下、ヘキサの爆弾に巻き込まれた人々が連ねてやってくる。
「何か騒がしいようだけど?」
相変わらず冷静なイヴが言った。
「どーもこーもねーよ!」
アルベルトは不機嫌だった。
「さっきヤンがこんなに沢山の被害届を持ってきたんだよ・・・。
あの爆発に巻き込まれた人達の・・・。」
「どれどれ?」
トリーシャが書類を覗いてみる。
「えぇと・・・、窓ガラスが割れた、家の壁が黒くなった・・・。
うわっ! 振動で家が傾いた?」
これにはみんな驚いた。
「ヘキサ君、私が君に渡したのは煙玉だったはずだよね・・・?」
ディレクターは不気味な笑みを浮かべながら言った。
「あれぇ〜、みんなどうしたの?」
「ふみゃぁ?」
そこに由羅とメロディが温泉から戻ってきた。
「あー、気持ちよかった。お酒も美味しかったし・・・。
そうそう、ディレクターさん。さっきの花火綺麗だったわ〜。
あ、パーティ! お酒ある?」
「おねーちゃん、ダメだよ! さっき沢山飲んだでしょ!」
そのまま二人はパーティの中に入っていった。
「温泉って、爆発したところから結構離れてたよね?
どうして火柱が見えたわけ?」
トリーシャが言う。
「イコール、それだけ爆発が大きかったわけだ!」
アルベルトがヘキサを睨む。
「いーじゃねーかよ、あんなちゃちなもんよりも良かっただろ?」
「良くない!」
一人を除く全員が言った。
「そーなんですか?」
相変わらずのセリーヌ。
「おい、ところで彼奴はどこだ?」
辺りを見回すアルベルト。
「あそこです!」
ディアーナはパーティの中でフライドチキンを口にくわえていた男を指差した。
「ちょっと来い!」
アルベルトに引きずられて来たのはもちろん、自警団・第三部隊所属の彼だ。
「何だ? アルベルト。」
フライドチキン片手にいまいち状況の掴めない彼。
「ヘキサがまた余計な事をやってこの様だ!」
被害届の束をバンバン叩く。
「今度は何を?」
「えー! 知らないの? あの爆発だよ。」
トリーシャが言う。
「・・・そういえばあなたのシーン・・・
『夕方の丘に立って、風に吹かれ黄昏る』ってやつだけね。」
冷たく言うヴァネッサ。
「随分、楽してるのね。」
イヴがさらに追い打ちをかける。
「ハハハ・・・。」
「爆発に巻き込まれた私たちとは全然違いますねー。」
と、ディアーナ。
「とにかくだ! お前がこいつの監督者だろ?」
ヘキサを指差してアルベルト。
「・・・煮るなり焼くなりお好きにどうぞ。」
「おい! いつも手助けしてるだろ?」
「もめ事増やしのな。」
アルベルトがヘキサの襟首を掴んで持ち上げる。
「ディレクターさん、こいつどうします?」
「そうですね・・・。」
腕組みをして考えこむディレクター。
「こうしましょう。まずは一軒一軒挨拶周り、損害賠償・慰謝料その他は、
半年ほどのただ働きで賄う、というのはどうでしょう?」
「構いせんよ。」
ディレクターの言葉に一つ返事の彼。
一瞬にしてヘキサが凍り付く。
「お、おい! ちょっと待てよ!」
「ねぇ、ディレクターさん?」
ヴァネッサが尋ねる。
「ということは、爆発に巻き込まれた私たちも慰謝料とかもらえるの?
あの爆発で服とか汚れたし・・・。」
「結構ですよ。どうせヘキサ君が払うことですし・・・。
被害届出せば大丈夫だと思いますよ。」
みんなの顔が笑顔になる。
「おい・・・。」
逆に顔がひきつるヘキサ。
「えっと、新しい服や小物に・・・、香辛料もいいかな。新しいのがほしいし。」
「そうですね・・・、ブラックペッパーなんかどうですか?」
「ナツメグもいいかも・・・。」
トリーシャとセリーヌの料理の話が始まる。
「新しい健康器具・・・。」
「ええっと・・・。」
「新しい本でも入れようかしら?」
「新しい化粧品!」
「ちょ、ちょっとまてよ・・・。」
ヘキサの顔がさらにひきつる。
「みなさん! こいつが逃げないように縛り付けましょうか?」
アルベルトがヘキサを持ち上げ意見する。
「賛成!」
「そ、そんな事されてたまるかよ!」
ヘキサは懐に隠していた丸い玉を取り出す。
「あ、あれは撮影用に渡した煙玉!」
ボン!
辺りが煙に包まれる。
「ケホケホケホ・・・。」
「あ、いない! 逃げられたか!」
アルベルトが悔しがる。だが・・・
「そうだ! 人件費とか奴に請求すれば・・・。ついでに臨時手当も・・・!」
アルベルトは走り出した。
「自警団! 非常態勢でヘキサ探しだ!」
・・・出来るわけないだろ・・・
ヘキサの監督役の彼は思った。
かくして再び追いかけっこが始まった。
−End−
「馬鹿だね〜。」
ヘキサは側の木の上でケーキ食べていた・・・。
後書き
RAS.「と、言うわけで第二弾!」
青葉「大学の授業中に下書き書いてたな・・・お前。」
RAS.「何故それを!」
青葉「見てたから。」
RAS.「・・・・・・(沈黙)」
青葉「だけど、『−春− 風の中で・・・』苦情来なかったね」
RAS.「修正したときPCのせいでタイトルがおかしくなったがな・・・。」
青葉「もう直ってるだろ?」
RAS.「だといいけど・・・。」
青葉「・・・・・・(沈黙)」
RAS.「さて、次どうしましょう?」
青葉「そんな事より『−夏− 空の下で・・・』の構成は?」
RAS.「・・・それが、うまくキャスティング出来なくて・・・。」
青葉「おいおい。」
RAS.「そもそも本編の構成すら出来てないではないか!」
青葉「ギクッ!」
RAS.「・・・お互い、がんばりましょう。」
青葉「そうですね・・・。」
二人「それでは、また会いましょう!」
掲載許可番号:raln0002
作品情報
作者名 | RASVEL&青葉 零 |
---|---|
タイトル | −春− |
サブタイトル | 悠久な人々 PS Version |
タグ | 悠久幻想曲, アレフ, アルベルト, ヘキサ |
感想投稿数 | 22 |
感想投稿最終日時 | 2019年04月17日 07時40分07秒 |
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