プロローグ

月の光も届かない暗闇中で「キュケケケッ」となにかの声が響く。
この世の者とは思えない声。
そして、その者達が起こす謎の事件。それは災害やときには人の死という結果があらわれる。


「そこかぁっ」

少年の声が響き、その者がいるところに衝撃破が飛ぶ。
そのあとに続いて少女らしい女性が透き通る声で何かの詠唱が始める。
手のひらに炎が浮かびあがり間髪を入れずその炎が衝撃破と同じ方向に飛んでいった。

衝撃波と炎の直撃をうけたその者の苦しみようをみれば、そのダメージの大きさが見て取れる。
道上でのたうち回るその者の姿はまさしく異形の者であるといえよう。

それを見て少年は懐から宝石をとりだした。
その宝石を手にかざしながら異形の者に詠唱が始める。
少年が詠唱を終えたとき手に持つ宝石が淡く輝きだし、宝石の中に異形の者が吸い込まれていく。
完全に吸い込まれたのを見届けたあとに少年が何か紙の札を張り付けた。

「詩織、けがはない?」

少年はまだ高校生だろうか? まだ幼さが表情に残っている。
振り向いて心配そうな声で訪ねると、少女は笑顔で答えた。

「大丈夫よ、公」

それを聞いて、少年はほっとした表情を見せる。

「さぁ、はやくこれ渡して帰ろう」

公は手に持っている宝石を見せて詩織に言う。
気がはっていたのがゆるんで笑顔で言う公をみて、詩織も隣に立ち笑顔で答える。

「そうね、一緒に帰ろっ」

いつも通り宝石を処理し二人は家に向かって歩いていく。


「ふぅ、もうこんな時間だね」

詩織が帰り道、公に話しかけている。
だいぶ夜もふけているが、歩みはゆっくりで、公もその歩調に合わせている。

「そうだね、明日も学校あるのになぁ、こんな時間までかかっちゃうなんて。明日起きるのがつらいよ」

公は笑って詩織に話している。
時間はとっくに日付が変わっており、普通ならもう寝ている時間なのだろう。

「明日起こしに行ってあげるね。叔父様も叔母様も旅行でいないから、寝坊したら大変でしょ」

詩織は口元に軽く手をあてて、くすくす笑いながら公にいった。

「それじゃ、お願いしようかな」

公はちょっと、照れているのか頭を掻きながら詩織に合い鍵を渡した。
そんなことをいっているあいだに二人は家の前に着いてしまった。二人は幼なじみであり、家も隣同士であるから着くのも一緒である。

「それじゃ、お休みなさい」

詩織が笑顔で手をふって家に入っていく。

「それじゃ、お休み」

公は手をふり、詩織が家に入っていくのを見てから自分も家に入っていった。

家に入って公は、明日寝坊しないようにしないといけないなと考えながら、明日の学校の準備をしてベットに入っていった。
その中で「もうすぐ夏休みだな」と思い詩織を誘ってどこかにいこうかな、などといろいろ思いをはせていたが、今日の闘いの疲れもあったのだろう、いつの間にか眠りにおちていった。

第1話:出会い

翌日、朝予想通り寝坊しそうになった俺は詩織に起こされ一緒に登校しているところに一人の少年が肩をたたいて挨拶する。

「よっ、二人とも朝から仲がいいねぇ」

こういわれると俺も詩織も頬を染めて反論する。

『なっ、なにいってるんだ!? 好雄!』
『なっ、なにいってるんの!? 早乙女君!』

タイミングよく一緒に反論してしまった。それを聞いて早乙女好雄と呼ばれた少年がまたからかおうとしている。

「いやぁ、さすがだね。息がぴったりだよ」

そう言われて詩織のほうをみる詩織もこちらを見ようとしており目があってさらに頬があかく染まっている。

「こ、公、先いってるね」

さらに追い打ちをかけられ詩織は照れ隠しなのか少しうなずきながら学校のほうに駆け出していく。

「好雄・・・おまえなぁ!!」
「まあ、一人だけ朝から幸せってのはいけないよな」

好雄に向かって少し怒りかけたが好雄の屈託のない顔でそう言われると怒りが収まってしまう。
まあ、これがお互いを親友だと思ってる一因なのだろう。

「おっ、そういえば今日転校生がくるらしいぞ」

詩織が走っていった後、好雄と話していると今日転校生がくるという話になった。
みょうに好雄のテンションが高いところをみると女の子らしい。
もうすぐ夏休みになるが俺なら2学期からくるなとか考えながら学校にはいっていった。


そうこうしているとチャイムがなりクラスメートたちがついた。
その少し後に教室の扉が開き担任の教師が入ってきてその後について女の子が入ってきた。好雄が言っていた転校生らしい。
小柄で髪の長い女の子だ。結構かわいいほうなんじゃないかと思う。

「おーい、静かにしろ!!」

先生が教壇に立って転校生がきてざわついている生徒を注意している。
さすがに注意されてクラスが静まっていく。ある程度静かになったところで先生が隣に立っている転校生に自己紹介をうながした。
それをうけてうつむき加減だった転校生が顔をあげて、静かな声で自己紹介を始めた。

「和泉恭子といいます。1学期はもう少しですがよろしくお願いします」

静かにそれでいてしっかりと挨拶をするところをみると結構しっかり者なんじゃないかと思うが
線の細い感じでどことなく守ってあげたいって思わせる雰囲気をもっている。

「えっと、席はそうだな、あそこのあいてるところ、主人の隣に座ってくれ」
「はい」

そういや隣の席ってあいてたっけ。和泉さんがこちらに歩いてくる。
まあ隣の席なんだからあたりまえだけど、とみているうちに席に座った。
座った後にこちらをむいて笑顔で挨拶された。

「よろしくお願いしますね」
「あ、こちらこそ。よろしく」

こちらも挨拶を返すと横からやっぱりきたかといった感じで好雄がいろいろ情報を聞き出そうと質問している。
まあ、新しい女の子をみるといつもやってるので見慣れた風景だ。

そうしたことも一段落して休み時間は和泉さんのことでいろいろにぎやかだったが一日がおわった。
今日は部活が休みなので詩織と一緒に帰る約束をしていたので校門に向かっているところで和泉さんと出会い軽く挨拶をして別れた。
そのときなにか不思議な感じがしたので振りむいたが別になんともなく気のせいかと思いそのまま校門に向かったがこのとき気がついていればあんなことはなかったんじゃないかと思う。

あの夏休みの体験は・・・

to be Continued,,,

後書き

どうもいつもお世話になっています。吉本です。

ジャンル的にかなり変わった物になってしまいましたが一応ときめも色を強くだしていこうとは思っているので、術関係はあんまりださないようにしようと思ってます。あくまで学園物ってのを目指していきたいとおもいます。(笑)
文才のない僕が身の程知らずにも始めてしまいましたが、できうるかぎりがんばっていきたいと思いますのでよろしくご指導のほどおねがいいたします。


作品情報

作者名 吉本紀隆
タイトル学園退魔戦記 for ときめきメモリアル
サブタイトル1:出会い
タグときめきメモリアル, 藤崎詩織, 主人, 公, 早乙女好雄, 和泉恭子
感想投稿数11
感想投稿最終日時2019年04月10日 07時05分43秒

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