和泉さんが転校してきて2日たった。
すこしクラスの雰囲気に慣れてきたのか和泉さんはクラスの女子と仲良く話している。
クラスの男子も転校生ということで最初はちょっと見ているだけだったが何人かは話しかけるようになってきた。まあその何人かの中には好雄も入っているのは当然だけど。
「ね、和泉さんってどこに住んでるの?」
「趣味は?」
などといろいろ聞き出そうとしている。
和泉さんは照れながらも受け答えしているようだ。
だが好雄の質問でいつものスリーサイズは?と聞かれたときには和泉さんは顔を真っ赤にして固まってしまった。
その後クラスの女子から袋たたきにあったのはいうまでもない。
しかし、俺は転校してきた日のあの不思議な感覚のことがずっと頭の隅に残っていた。
いろいろ個人的に調べてはみたもののいまのところ何の手がかりもなく今日まできてしまった。
「気のせいだったんだろう」
そう思い始めたときに事件は起こった。
第2話:夏の夜の悪夢?
和泉さんが転校してきて3日目、彼女が欠席した。
学校に連絡があって、夏風邪をひいたとのことですぐに治るだろうと先生が話していた。
しかし、次の日、また次の日も彼女は学校にはこなかった。
どうもかなりひどいのだろうかと好雄と話していたが、好雄の情報でも和泉さんが入院したとかそういった情報はなかった。
そうこうして夏休み1日前になっても和泉さんはでてこなかった。
そこで、先生が詩織に和泉さんに宿題や連絡事項のプリントなどを届けてほしいと頼まれていた。
「わかりました」
詩織は快く引き受けていたが、宿題やプリントを預かった後俺の方をみてにっこり笑っていた。
その目は「一緒にお願いね」と言わんばかりだった。
こんなときは幼なじみってのもやっかいなもんだと思う瞬間だ。
まあ断る理由もないしなにより気になることもあるから軽くうなずいて了解の返事をした。
その日の帰り道に詩織といつ渡しにいくか話していた。
「やっぱ終業式のあとで帰ってからいけばいいんじゃないか?」
と俺が提案すると詩織も同じ意見だったようだ。
「そうだね。そうだ公、明日も和泉さんこられなかったらなにかお見舞いもっていかない?」
まあ手ぶらでいくというのもなんだしなに持っていこうかと詩織と相談しながら帰り道を歩いていた。
このとき気になっていることがあるのを言っておこうかとも思ったがよけいな心配もさせたくないので話さなかった。
そして、終業式の日。
大方の予想通り和泉さんは欠席した。
さすがにここまでくるとちょっとおかしいとクラスのみんなも思い始めたのか、お見舞いの話が持ち上がった。
そこであまりたくさんでいっても迷惑だと思うので俺と詩織、そして好雄とクラスの女の子二人という構成で終業式のあとお見舞いにいくことになった。
クラスのみんなから少しずつカンパしてお見舞いを買うことにしてとりあえず終業式のあとお見舞いにいくメンバーで一度家に帰ってから集まることにした。
駅で集まったあと近くのデパートでお見舞いの果物を買って、好雄が仕入れた和泉さんの住所をみてそこに向かっていった。
電車で二駅なのでそう遠いわけでもなく1時間ほどで和泉さんの家にたどり着いた。
「ここが和泉さんの家かぁ」
好雄が玄関前でつぶやいている。
たしかに結構大きい家で驚くのもわかる。庭もひろく陽当たりもよさそうだ。
しかし、何か違和感があるのは気のせいだろうか?
「ぴんぽーん」
詩織が呼び鈴をならすとインターホンで返事が返ってきた。
「はい、どちらさまですか?」
インターホンの声は和泉さんのようだ。ちょっと風邪気味らしく鼻声になっている。
「和泉さん、藤崎ですけどお見舞いにきたんだけど大丈夫?」
そう詩織がいうといまあけるねと返事が返ってきた。
その後すぐに玄関から和泉さんがほほえみながらでてきてくれた。
「どうぞ、あがっていってください。」
病気の女の子のいる家に入っていくのもちょっと気がひけたが、詩織たちも一緒だし、なによりまだ親しい友人もつくれないまま和泉さんは休んでしまっていたので、ここで俺たちが少しでも友人になれればともおもったのでおじゃますることにした。
「それじゃ、すこしおじゃまするね」
詩織がそういってそのあとについでみんなが入っていき、最後に俺が入った。
入ったときに外にくらべて妙に涼しいので気になったが、部屋にはいってエアコンのきいた部屋で話しているとあんまり気にならなくなったので気のせいかと思い、みんなと和泉さんに学校のことを話すことにした。
「ところで風邪もう大丈夫なの?」
詩織がそう尋ねると和泉さんはほほえみながら答えてくれた。
「うん、熱もなくなったし、もう大丈夫」
そう、答えると一緒に来たクラスメートも安心したのか休み中にみんなで遊びに行く話に話題が変わっていった。
「あ、ちょっとトイレ借りるね」
エアコンのきいていた部屋からでるのはちょっといやだったがさすがに我慢するわけにもいかないので俺は和泉さんに場所を確認して部屋をでた。
しかし、思ったほど暑くない。むしろ涼しいくらいだ。さすがに今日は朝の天気予報でも30度近くなると言っていたのでこの温度はおかしい。
「やはりここにはなにかある」
そう感じた俺はトイレにはいって印をとなえる。
唱え終わったときにこの家のなかに大きくもないがたしかに妖気が感じることができた。
やはりなにかがこの家にとりついたにちがいないと考えた俺は一度詩織に相談して対策を練ることにしてみんながいる部屋に戻った。
部屋にもどるといつの間にか今日の夜和泉さんの家で親睦会をすることになっていた。
「それじゃ一旦帰ってうち合わせ通りに準備して7時に集合ね」
そう詩織が締めくくったところでいったんお開きになった。
「それじゃあとでね」
和泉さんがほほえみながら見送ってくれた。
そうして駅でみんなと別れて家に戻っているときに詩織に妖気の件の話をした。
詩織も真剣な顔になりそちらの準備もしていくことをお互いに確認して家の中に入っていった。
そうして、みんなとの待ち合わせ場所にまた集まって、再度和泉さんの家についた。
時間的な余裕はあんまりないけど親睦会の合間に何とかすることを詩織と確認して和泉さんの家の中にはいっていった。
後書き
すみません、これでこの話終わらせるつもりだったのですができませんでした。なんか文章的にもおかしいとこあるしちょっとパニクってます。
なるべく次でこの話は終わらせて別の話にしたいと思います。
それでは。
作品情報
作者名 | 吉本紀隆 |
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タイトル | 学園退魔戦記 for ときめきメモリアル |
サブタイトル | 2:夏の夜の悪夢? |
タグ | ときめきメモリアル, 藤崎詩織, 主人, 公, 早乙女好雄, 和泉恭子 |
感想投稿数 | 13 |
感想投稿最終日時 | 2019年04月13日 00時12分25秒 |
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