「第一問目を終了して、きらめき高校・藤崎チーム、同じく朝日奈チーム、館林女子高校の三チームが25ポイント。
 高知学芸はポイント0です」


「あと……75点か……」
公が呟いた。
「知っている問題で答が大きいのが出るといいね。
 そしたら、一気に百点だもんね」
沙希が公に言った。
「そうだ。朝日奈さんの方もポイント取ったし、一気に決勝まで行こう」
「うん、でも油断はしないでね」
詩織が二人を引き締めた。

「問題、アイスホッケーは3ピリオド制ですが、その1ピリオドは何分でしょうか?
司会者が第2問を読み上げた。
各チームが一斉に相談しはじめた。

「任せて、この前みんなで見にいったから」
沙希が自身たっぷりに詩織と公に言った。
「へぇ、さすが沙希ちゃん。
 スポーツは何でも好きなの?」
「え……そ、そんなことないよ。
 私、頑張ってる人を見るのが好きだから……」
「そっか……田代君、頑張ってたもんね」
詩織が冷やかした。
「ふ、藤崎さん……そんな……」
沙希は真っ赤になりながら答を書きはじめた。


「では、一斉にあげてください。ホールドアップ!」
司会者の合図で一斉に全チームが答を揚げた。
「館林女子高校、白紙で棄権です。
 高知学芸高校、20分。
 きらめき高校・朝日奈チーム、20分。
 藤崎チーム、20分。
 ……正解は……」

司会者が言葉を切った。そして、
20分です。きらめき高校の両チーム、高知学芸に20ポイント」


「やっぱ、沙希がいるとこういうの強いや」
夕子が詩織達を見ながら言った。
「でもさすが早乙女さんですね」
未緒が好雄に言った。
「とうぜん、こういう情報は俺に任せてくれ。
 アイスホッケーのチケットが今、人気らしいからな。
 なんだったら、今度一緒に試合を見に……」
パッカーン!
「いて!」
夕子に頭を叩かれ、好雄が声をあげた。
「未緒には佐藤君がいるっしょ! ナンパしないの」
「そうですよ。早乙女さん。
 ぜひ、夕子さんと一緒に……」
「な、なに言ってんのよ、未緒!」
今度は夕子が慌てる番だった。

「では第3問です。
 高校野球の甲子園大会。監督、部長を除けば、ベンチに入ることのできる部員は最高何人?


「スポーツ問題が続いたね……これも虹野さんに任せようかな」
公が沙希に言った。
「えっと……」
沙希は指を折って計算をはじめた。

「ラッキー!
 最近増えたんだよね〜。
 15人と書くほど朝日奈夕子様はボケちゃいませんよ」
夕子は好雄と未緒に耳打ちするとさっさと解答を書きはじめた。


「では、答を揚げてもらいましょう。ホールドアップ!」
一斉に全員が答を揚げる。
「順に見て行きましょう。
 館林女子高校、17人。高知学芸高校17人。
 きらめき高校・朝日奈チーム16人。同じく藤崎チーム17人……」

「どうしてよ?
 16人じゃんか? なんでみんな16人って書かないんよ?
 シオリンまで……」
夕子が疑問に思ったときだった。
「正解は……17人です。
 選手16人と記録員としてマネージャーのベンチ入りが認められていますから……
 17人が正解です」

「あっちゃぁ……」
夕子は顔を覆った。
「マネージャー、忘れていた……」

「整理しましょう。
 現在トップはきらめき高校・藤崎チーム62点。
 館林女子が42点。高知学芸37点。
 そして、きらめき高校・朝日奈チームは先ほどの不正解がマイナス16点で、合計29点」

司会者が途中経過を整理した。
「では、第4問です。
 大正14年に制定された『普通選挙法』。
 このとき、選挙権が与えられたのは、満何才以上の男子でしょう?


「よろしいでしょうか? ホールドアップ!」
司会者のかけ声で全員が答を揚げた。
「館林女子、25才。高知学芸、25才。
 きらめき高校・朝日奈チーム、25才。同じく藤崎チーム25才。
 全チームが同じ答です。正解は……25才
 全チームに25ポイント追加」

教科書で習うような問題である。
さすがに全チームが正解した。


「あと……13点ね」
詩織が二人に言った。
「うん……13以上の問題が出るといいんだけど……」
公が呟いた。

「あぁん、差が縮まんないじゃんか……」
夕子が焦りはじめた。
「大丈夫ですよ。まだ8点しか差はないんですから……」
「そうだけど……シオリンには負けないんだからね……」

「では次の問題です。日本の行政機関の省。現在、いくつある?


「大蔵省、外務省……」
公が数えはじめた。
「建設省でしょ、自治省……」
沙希も手伝う。
「あぁぁ……足りないか……」
二人を横目でみながら詩織はさっさと答を書きはじめた。
「え? 詩織……?」
「残念……」
尋ねる公に詩織は答を書いたボードを見せた。

「農林水産省……労働省……」
未緒が数える。
「大丈夫、未緒?」
夕子が尋ねる。
「12前後でしょうけど……自信は無いです。数え落としがあるような気がして
 ……どうします?」
「マイナス喰らう訳にはいかねぇしな……」
好雄が言った。
「よし、白紙でしのご!」
夕子が決断を下した。


「それでは、ホールドアップ!」
一斉に答が揚がった。
「館林女子、12。
 高知学芸、白紙。きらめき高校・朝日奈チーム、白紙。
 藤崎チーム、12。
 正解は、数えてみましょう。
 法務省・外務省・大蔵省・文部省・厚生省・農林水産省・通商産業省・運輸省・
 郵政省・労働省・建設省・自治省。合計は……12
です。2チームが正解」

「あちゃ、思い切って書いておけばよかった……」
「申し訳ありません……」
夕子の呟きに未緒が謝った。
「違うよ。未緒のせいじゃないんよ。決断できなかったあたしが悪いの……」
「いや、全員の責任だな……」
好雄が横から忠告した。
そして、隣の公たちを指さす。
「そだよね。うん、そうだ……」
2回戦の苦戦を思い出して、夕子が頷いた。

「現在トップのきらめき高校・藤崎チーム、99点。館林女子、79点。
 高知学芸、62点。きらめき・朝日奈チーム、54点。
 次の問題で勝ち抜けチームがでるか?」

司会者が緊張感を盛り上げていく。
「では次の問題です。読売ジャイアンツの永久欠番は6つあります。
 そのうちの一つだけ書いて下さい


「あと1点でいいのよね」
詩織が言った。
「そうね……ふふふ」
沙希は笑いながら、1と答を書いた。
「これでいいかな?」
「いいんじゃないの? 何書こうと、1点取ればそれでいいんだから。
 でもどうせなら通っぽく、これは?」
公が別の答えを書きながら言った。
「あ、そうか! うん、それにしましょう!」
沙希が同意した。

「えっと……じゃ3でいい?」
夕子が二人に尋ねた。
「ちょっと待って下さい」
未緒が忠告した。
「正解した場合、その答がポイントになるんですよね。
 だったら……こういう答がいくつもある問題なら、できるだけ大きい答を書いた方がいいのでは?」
「そうだけど……えっと……」
夕子が思案しはじめた。
「じゃ、これは?」
好雄が夕子に耳打ちした。


「では、答をどうぞ!」
一斉に答が揚がった。
「館林女子、3。高知学芸、14。きらめき・朝日奈、16。同じく藤崎、4」
司会者が言った。
「ちなみに、館林女子、それは誰の番号?」
「長嶋です」
司会者の問いかけに館林女子が答えた。
「高知学芸、14は誰の番号?」
「沢村栄治です」
高知学芸が答えた。
「朝日奈チーム、誰の番号ですか?」
「川上哲治!」
夕子が言った。
「藤崎チーム……誰ですか……?」
「黒沢です」
詩織が答えた。
「通な選手を答えますねぇ。藤崎チーム。
 はい、全チーム正解です!
 でも、なんで金田の34番を書かない……一気に34点取れたのに」

「あ!」
司会者の声に全員が声をあげた。
「もう一つの欠番は王の1番です。何にしても全チーム正解!
 そして、勝ち抜け1番手は、きらめき高校・藤崎チーム!

詩織のチームが100点に達した。
「やったぁ!」
詩織たちは飛び上がって抱き合った。
「決勝よ、今度こそ決勝よ!」
詩織の目から涙がこぼれた。
2回戦以降、苦戦が続いていた。久々の圧勝に公と沙希も喜びを隠しきれない。
「行くわよ!」
「おぉ!」
「うん!」
詩織のかけ声に3人が揃って登山口に移動して行った。

「残る席はあと2つ……館林女子、82点。
 高知学芸、76点。朝日奈チーム、70点」

司会者が再度整理をする。
「では問題。
 世界の国旗で、一番多くの星が描かれているのはアメリカの五十。
 では二番目に多く描かれているブラジルの国旗に星はいくつ?

全チームが答えを考え始めた。

to be continued...

作品情報

作者名 ハマムラ
タイトル栄光への道 第3部 全国大会編
サブタイトル18:「頂上へ向かって」
タグときめきメモリアル, ときめきメモリアル/栄光への道 第3部 全国大会編, 藤崎詩織, 主人公, 早乙女好雄, 朝日奈夕子, ほか多数
感想投稿数0
感想投稿最終日時2019年04月12日 03時09分47秒

旧コンテンツでの感想投稿(クリックで開閉します)

評価一覧(クリックで開閉します)

評価得票数(票率)グラフ
6: 素晴らしい。最高!0票(NaN%)
5: かなり良い。好感触!0票(NaN%)
4: 良い方だと思う。0票(NaN%)
3: まぁ、それなりにおもしろかった0票(NaN%)
2: 可もなく不可もなし0票(NaN%)
1: やや不満もあるが……0票(NaN%)
0: 不満だらけ0票(NaN%)
平均評価NaN

要望一覧(クリックで開閉します)

要望得票数(比率)
読みたい!0(NaN%)
この作品の直接の続編0(NaN%)
同じシリーズで次の話0(NaN%)
同じ世界観・原作での別の作品0(NaN%)
この作者の作品なら何でも0(NaN%)
ここで完結すべき0(NaN%)
読む気が起きない0(NaN%)
特に意見無し0(NaN%)
(注) 要望は各投票において「要望無し」あり、「複数要望」ありで入力してもらっているので、合計値は一致しません。

コメント一覧

コメントはありません。