「旅に出ます。
 探さないでください」

綺麗な文字でそう書かれていた手紙を読んだジェストナイの頬に、血管が浮かんだ。
いつぷちっと切れて、血が噴水のように噴出すかわからないほどに。
「追伸、謁見人形を置いていきます」
ジェストナイは、目の前の椅子に座っている、人形に目を移した。
布に綿をつめた人形だった。頭には、紫色の毛糸が「これが髪の毛ですよ」と言ってるつもりなのか、無造作に乗っかっていた。ご丁寧に、木を削りだして作った王冠も乗っている。人形の胴体には「グラドリエル」と書いてあった。
皺だらけの額に、また血管が浮かぶ。
「お土産買ってきます。楽しみにしていてください」
その文字を読む事なく手紙を握り潰してから、謁見人形を脇に抱えて彼はグラドリエルの部屋を後にした。
この後、エリエルとシドラエルの部屋で、それぞれ姉人形と妹人形を発見したジェストナイの身体からは白いもやもやとした物が天に向けて飛び立ちそうだったのだが、かろうじそれをこらえたのは、彼の並々ならぬ精神力ならではだったのだろう。

どこまでも広がる青い海は、空の色を真似ようと一生懸命になった証拠だったのかもしれない。
白い砂浜は、光の溜まり場なのだろう。
港町リィランドから船で一時間ほど大陸を回りこんでいく浜辺は、隠れリゾートと名高い場所であった。それでも平和な時期の最中という事もあるのか、今では結構知られていて、誰も居ない浜辺という程穴場な訳でもなかったが、他の海水浴場と比べたら圧倒的に空いていると言ってよかった。
「海ー!」
ヴァレンディア王家の三女、現女王のグラドリエルが、喜色満面で声をあげた。
まだ十三歳の肢体に、髪の色と同じに、葡萄色のワンピースの水着に包まれていた。
その色がグラドリエルの肌の白さを一層引き立てている。
「なによ。お子様ねえ」
豊かな栗色の髪の毛を後ろで束ねた少女、魔女プロセルピナが『ふふん』と鼻をならしながら呟いた。
グラドリエルに負けず劣らずの体型を包むのは、赤い水着ではあったが、ビキニタイプだった。
「あらあら」
穏やかな笑顔を浮かべて、グラドリエルとプロセルピナを見つめていた、次女シドラエルがくすくすと笑った。病弱だった影響からか、他の誰よりも白い肌を包むのは青いワンピースであったのだが、グラドリエルのとは違ってぐっと大人びた面積の少ない物だった。
「……」
長女エリエルは、じーっとシドラエルの胸を見ていた。炎のように赤いビキニの水着は、大人の貫禄十分ではあった。
「……お姉さま、どうしたのですか?」
エリエルが自分の胸元に視線を注いでいるのに気づいたのか、顔を赤らめて困ったように聞くと、
「シドラエル、今サイズはいくつですか?」
エリエルは、あからさまに胸を指差しながら言った。
「え……あ…えと…九十です…」
そう言って、ぽっと頬をあからめた。
「むか」
「お姉さま?」
「あ、ううん。なんでもないわ。
 いいわぁ。大きくて…まるでお母様みたい」
「お姉さまだって…」
「一センチ……」
エリエルは呟いた。
「え?」
「ううん。なんでもないわ。それより浪打際まで行きましょう」
エリエルは、シドラエルの手を引いた。
「あ、待って、お姉さまぁ」
二人は笑いながら浜辺を走っていった。
「ねえ、あんたんとこのお姉さんってさ、身体弱かったんじゃないの?」
プロセルピナが、波打ち際より少し入った、腰の辺りまで水に漬かった所で、グラドリエルに向かってひそひそと呟いた。
「最近発明された新しい薬が劇的に効いてしまって、今じゃすっかり普通なんですよ。さすがに体力はまだ無いですけど」
それがどれほど嬉しい事なのか、グラドリエルは海に連行されていくシドラエルを暖かい目で見ていた。私が剣で守るのはこんな光景なのだろう……と。
「ふーん」
納得したようなしてないような表情でうなずく。
「それにしてもあれよねー。
 あんたの所って、みんな巨乳よね。
 まああたしが大人になったら、きっと目じゃないと思うけど」
ふふんと得意そうに目を細めた。
「お母様は大きかったって聞いてますから」
「でも、あなたは特別ぺったんこよね。
 その年頃だったら、もうちょっと出っ張っててもいいんじゃない?
 あたしだってこれくらい出てるのに」
胸をそらせるようにして、誇示しながら言った。
確かにグラドリエルよりは隆起している。が、言われなければ気がつかない程だ。
「どんぐりの背比べって知ってますか?」
グラドリエルのこめかみに、青筋が立った。しかし、顔はあくまで穏やか。
「比べる背も無いくせに」
プロセルピナが、ニヤリと笑った。
瞬間、グラドリエルは、水から足を出してプロセルピナを蹴り飛ばした。派手な水しぶきを上げて水の中に突っ込む。
ぶはぁ! と顔を出したプロセルピナの形相が変わっていた。
「何すんのよ! このつるぺた娘!」
「あら、ごめんなさい。
 ちょっと波でバランス崩してしまって」
子犬もさらえないくらい小さな波がちゃぷちゃぷと音を立てていた。
「あらあ、水の抵抗無さそうなのにねぇ。
 大変よねぇ。せいぜい世間の荒波をその貧相な胸でスルリスルリとすり抜けて欲しいわ。女王様」
グラドリエルの中で、何かがキレた。
無言でどこからか取り出した紫色の小さな宝石を天に掲げた。
すると、青く澄んでいた筈の空、グラドリエルの上空に小さな暗雲が立ち込め、一発の雷が落ちた。
まっすぐプロセルピナを直撃する。プロセルピナを貫いた雷撃は海水を伝わって、召還したグラドリエルをも貫いて、二人の周辺の海水を蒸発させた。
やがてその水煙が晴れた後に、二本の炭化したような何かが立っていた。
「けほっ…」
黒くなった二人は、灰色の煙を吐いた。
「あんたバカじゃないの……」
そう言ったプロセルピナは、ゆっくり倒れた。
ああ、青い空が綺麗だわ。
あたしの本当のお父さんとお母さんどこに居るのかしら。あの空の向こうかしら。
そう思いながら。

「やれやれ…女王様にしておくのは、本当にもったいないと思うよ」
リクライニングチェアーに座って一部始終を見ていたポートガスが、大きくため息をついた。
海の家「ヴァレナディン」のテラスは、海からの風が吹き渡る絶好の場所だった。
「おいこら、海賊」
「なんだ、海の家のバイト」
「なんでお前がこんな所でくつろいでいる」
ポートガスが振り返ると、エプロン姿で、お盆にトロピカルジュースのグラスを乗せているエドワードが鋭い眼光でにらみつけていた。
カード騎士団の夏季研修中なのだが、来た早々にグラドリエル達によって城への通報はやめるように口止めされていたのだ。警護が出来れば問題ないと快諾はしたものの、エドワードにとって海の家で働く事に関しては不本意であった。
「たまたま寄航した近くだったからだ」
「海賊なら海賊らしく、海の上に居ろ。
 本来俺たちはお前らみたいな海賊をどうにかしなきゃならん立場なんだ」
「まあ固い事は言いっこ無しだ。
 それに、女王様達の許可はもらったしな」
しれっと言って、飲みかけのジュースを一気に飲み干した。
「おかわり」
「……待ってろ」
しばらくしてから、ポートガスの頭の上に、滝が発生した。
「うわっ!」
ずぶぬれになったポートガスは、バネ仕掛けのように椅子から離れる。
「好きなだけ飲め。特上トロピカル海水だ」
エドワードは、空になったバケツを指で回していた。
「貴様いい度胸だな」
指をポキポキと鳴らすポートガス。
「海賊風情には、海水がお似合いだ」
二人は、詰め寄って一触即発状態だった。
ほどなくして、『ヴァレナディン』から爆音がとどろいてきた。
男達の熱き魂が爆発した音は、夏の風物詩かもしれなかった。

「スイカ割り〜」
グラドリエルの元気のいい声が響いた。
「わたし、スイカ割初めてなんです」
シドラエルがドキドキしながら頬を紅潮させていた。
今まで身体を動かす事とは無縁だったシドラエルにとっては何もかもが新鮮なのだった。
もっとも、エリエルも初めてなのだが。
「じゃあ、最初は私からやりますね」
エリエルに目隠しをしてもらったグラドリエルが手を高く掲げると、どこからともなく棒がふわふわと飛んできた。持ってきたのは妖精アーリアであった。ビキニの水着着用である。
「行くよ〜女王様!」
目隠しをしたまま棒を受け取ったグラドリエル。妹の技を見た二人の姉は、小さく拍手をした。
「じゃあ行きますね」
グラドリエルは、その場で三回回ってから、ピタリと止まった。
まっすぐスイカの方を向いている。
棒を両手でぐっと握って、身体の脇にひきつけ、棒の先端をピタリとスイカに向けた。
グラドリエルの足が砂浜に沈んだかと思った瞬間、身体が消えていた。
エリエルとシドラエルの目にはそう映った。
瞬きをした時には、すでにスイカの向こう側に居た。渾身の脚力による神速のなせる技であった。
棒を砂浜に突き立てると、スイカが綺麗に真っ二つに割れた。まるで刃物で切ったような断面だった。
「あんたねー、本気になってどーすんのよー!」
プロセルピナが大声で叫ぶ。
「あの子、昔からこういう事には燃えるタイプだから……」
エリエルは、苦笑して肩をすくめた。反対に、シドラエルは純粋に凄い物を見た感動で目を丸くしてキラキラさせていた。
「じゃあ、次私やります」
シドラエルが名乗りをあげた。
その胸のうちたるや、初めて挑戦することに対しての期待に高鳴りっぱなしである。エルファーランの血は確実に受け継がれている証拠であった。
「はい。お姉さま」
グラドリエルが、シドラエルに棒を渡して、目隠しをする。
「うまく出来るかしら」
「頑張ってください」
準備万端整った瞬間、グラドリエル達の居る方向に向かって歩いてきた。
「わわっ。お姉さま、こっちじゃないです」
「シドラエルちょっと待ちなさい!」
「あっちあっち!」
すでに、高ぶって周囲の声が聞こえないのか、シドラエルはじりじりとグラドリエル達に迫っていく。逃げても的確に向きを変えてくる。
不意に、エリエルとグラドリエルがぱっと散った。後に残ったのは、プロセルピナだけだった。
「え? なに? なに?」
シドラエルは、慌てるプロセルピナにターゲットを絞っていた。
「なんであたしなのようっ!」
突然の事で、なおかつ棒を持って迫るシドラエルの得体の知れない迫力に押されたのか、プロセルピナは腰を抜かして『ぺたん』とその場に座り込んだ。
涙目になっていやいやをしたが、無情にもシドラエルが迫る。
彼女が敵対心を燃やすのはあくまでグラドリエルだけであって、二人の姉に対しては素直になれていただけに、ショックだったのだ。
シドラエルはピタリと止まって、意を決したように棒を振り下ろした。
スイカどころか、卵さえも割れないような勢いの棒が、プロセルピナの股の間にぽこっと決まる。
「……う……」
プロセルピナの目に、涙がぶわっと溢れてきた。
目隠しを取ったシドラエルは、まあ大変! 怪我は無かった? 大丈夫? と慌て出して、プロセルピナがうんうんと頷くと、ごめんなさいねと言って抱きしめた。
涙を止める特効薬でもあったのか、プロセルピナの涙はすぐに止まった。
彼女の今までの人生の中でこんな事をしてくれたのは、育ててくれたおばばとシドラエルだけだったのだから。元々この海水浴に参加したのも、二人の姉の誘いがあったからこそである。
エリエルとグラドリエルは、苦笑しあってから、二人の所へ戻っていった。
「じゃあ、今度はあなたの番ね」
エリエルは、プロセルピナに目隠しを差し出すと、ぐすっと鼻を鳴らしながらも少しだけ笑顔を見せた。
「ねえねえ、女王様」
アーリアがこそっとグラドリエルに耳打ちした。
「あの子も結構可愛いとこあるのね。寂しがり屋なのかな?」
「そうですね……私にはお姉さま達が居ますけど、プロセルピナには……」
そこまで言った時、グラドリエルの動きが止まる。
シドラエルの肩ごしに、プロセルピナがべーっと舌を出していたのを見たからだ。
「きつーいお仕置きしとく必要がありそうですね」
グラドリエルは、笑顔のまま指をバキバキと鳴らした。
か細いあの指のどこからそんな音がするのか、アーリアは不思議でならなかった。
あの冒険の時に出会ったどの怪物より怖い。
アーリアは、苦笑して少しだけグラドリエルから離れた。

「あの……グラドリエル」
エリエルとシドラエルが、二人揃ってグラドリエルの元にやってきた。
「なんでしょう?」
「私達に泳ぎを教えてもらえないでしょうか?」
シドラエルが言った。
「私達、ほとんど城から出ないから……」
エリエルも、もじもじしながらそう言う。
「小さい頃、一度だけお母様に城のお風呂の中で教わった事があるのですが」と、エリエル。
「私は、身体を激しく動かせなかったので……」とシドラエル。
「わかりました。丁度波もありませんし、海だから身体も浮きますから」
笑顔で立ち上がって、お尻の砂をぱんぱんと払った。
こんな日が来るのを一番心待ちにしていたのは、グラドリエル自身だった。


「……で、なんであなたがここに?」
「いや、折角だから教わってあげないこともないかなあ…って」
視線を宙にさ迷わせたプロセルピナが、頬を掻いた。
「まあいいじゃないですか。こういうのは多い方が楽しいですし」
シドラエルが間に割って入る。
「そうよそうよ」
追い風に乗った勢いとはこの事か。プロセルピナは勝ち誇ったように口元を吊り上げた。勝利者の笑みだった。
「……まあいいですけど」
グラドリエルは、大きくため息をついた。
姉に言われては断る訳にもいかないし、いがみ合ってはいるが、グラドリエルは決してプロセルピナを嫌っている訳ではないのだ。
「じゃあ、まずはバタ足から始めましょう。私が手を持っててあげますから。
 じゃあ、プロセルピナから」
「ちゃんと教えなさいよ」
「はいはい」
眉を八の時にしながらも、口元は笑いながら、プロセルピナの手を取ったグラドリエルは、ゆっくりとプロセルピナを浮かせた。
「基本はバタ足です。
 とりあえず、顔をつけないでそのままバシャバシャやってください。
 水は怖くはなさそうだから、途中、何度か顔をつけて。
 膝は曲げないで」
グラドリエルの指導に、プロセルピナは素直に従う。
「それじゃ、エリエルお姉さま、シドラエルお姉さまをこういうふうにしてあげてください。
 私じゃなくても同じですから」
二人は頷いて、言われたとおりの形を取った。
「お姉さま、絶対離さないでくださいね」
シドラエルは、不安げな声で訴える。
「大丈夫ですよ。離さないから」
二人のやりとりを見ていたプロセルピナが、
「あたしもあっちがいいなあ……」と漏らす。
「私では不満ですか?」
「わかりきった事をガボッ」
頭を押さえつけられて、沈められたプロセルピナがじたばたともがく。
「まあ、もう潜りの練習かしら」
それを見たエリエルが、感心したように言った。
「ぶはーぶはーっ! 何するのよっ!!」
死にかけたじゃないと言う暇が無いのか、目がそう訴えていた。
「潜りの練習です」
「まだ早いわよっ!!」
「あなたなら大丈夫!」
グラドリエルは、親指を立てて白い歯を見せた。
「わわっ、離さないでよっ。
 覚えてなさいっ! いつかカエルに変えて踏みコロしちゃうんだから」
「そうですか」
そう言ってからニコっと笑うと、グラドリエルは水底の砂をぽんと蹴って、プロセルピナをどんどんと沖の方に引っ張っていった。
成すすべの無いプロセルピナは、むしろグラドリエルの手が離せないでいる。
やがて、グラドリエルが立ち泳ぎするまでの深さの所になっていた。
「あら、大変。足がつきませんね」
「あ、あんたねえ」
もはや、プロセルピナが頼るのは、グラドリエルだけになった。
ここで手を離せば、泳げない自分は本当に海の藻屑となってしまうのだ。
「わかったわ。わかったわよう。
 ちゃんとまじめにやるから手を離さないで。お願いっ」
半泣きになっていた。プライドや復讐よりも、今を生き抜く事が先決だった。
「じゃあ始めましょうか」
グラドリエルの笑顔を見て、プロセルピナは思った。
この女王が居る限り、この国は多分「大丈夫」なのだろうと。
同時にこの時、グラドリエルを生涯のライバルとして、認定した。


素質というものは、素養を得る速度を速めるのかもしれない。
エリエルとシドラエルは、体力の違いこそあれ、なんとかたどたどしく泳げるようになっていた。グラドリエルの教え方の良さも手伝ったのと、身体が浮きやすい海という事もあったのだが。
プロセルピナに至っては、初期段階で命がかかっていたせいか、後の方になってからの上達のレベルは凄まじい物があった。
「プロセルピナ、凄い上達しましたね」
シドラエルが我が事のように、嬉しそうに目を細めた。
「そうですね……」
エリエルは、ふぅとため息をついた。それもその筈、尋常ではないスピードで泳ぐグラドリエルを追いかけていたからだ。
片方は笑顔。片方が死に物狂い。
妹の尋常ではない体力と、プロセルピナの不憫さの陰陽を目の当たりにしては、ため息をつかざるを得ないのだろう。
しかし、なんにしろ泳げるようになったのは喜ばしい事ではあった。


その時、突然海の一部が山のように盛り上がった。

「ちっ……せっかくのバカンスがパーになったぜ」
ポートガスが、薄汚れた顔を拭おうともせずにごちた。
すると、肩に止まったオウムのドレイクが、「パーパー」とわめき散らす。
「そこの海賊。直すの手伝え」
エドワードが、瓦礫の上に腰掛けているポートガスに向けて怒鳴った。
二人の乱闘によって半壊しかけた海の家の片付けをするべく、孤軍奮闘中であった。
「俺は客だ」
「海賊は客とは言わん」
「金はちゃんと払ったんだぞ。文句あるのか?」
「ああ、大有りだな。なぜなら貴様が海賊だからだ」
「てめえ、海賊をバカにすんのか?」
また二人の視線が交錯し、火花をあげようとしたその瞬間、浜辺一帯に悲鳴が沸き起こった。
「なんだ!?」
二人は、海の方に視線を向けた。


波打ち際からほんの少し離れた沖のあたりが、ゆらっと大きく盛り上がったかと思った瞬間、みるみるうちにその盛り上がりは大きくなり、小さな山かと言わんばかりの物が盛り上がってきた。
押しのけた水が津波となり、波打ち際を襲う。
エリエルとシドラエルは、異変を感じた時点で離れており、波に巻き込まれる事はなかったが、数人の海水浴客が津波に飛ばされて、砂浜に顔を突っ込んだりしていた。
「姫! 大丈夫でございますか!」
二人の下に駆けつけたエドワードが、膝をつく。
「私達は大丈夫です。でも、グラドリエル達が……」
「おいっ! あれを見ろ!」
同時に駆けつけてきたポートガスが海を指差した。
一同がその方向を見ると、巨大な山と見紛うほどの大きなイカが触手を振り回していた。
「テンタクルスか!
 なんだってこんな近海に。しかもあんなでっかい奴、初めて見たぜ」
ポートガスが舌打ちする。
航海する者にとって、かなりやっかいな海生怪物の一匹だった。
船を巨大な触手で巻き取り、沈めてしまう。
「それより、グラドリエルは!」
「私なら……大丈夫……です……」
はあはあと呼吸を荒げながら、一行の近くまで来ていた。
脇にぐったりとしたプロセルピナを抱えている。溺れたプロセルピナを抱えて、高波を越えてきたのだろう。
「お姉さま、プロセルピナを頼みます。
 水はもう吐かせてます。しばらくすれば意識も戻るでしょう」
慌ててプロセルピナを受け取った二人は、身体をそっと横たえた。
「グラドリエル、あなたは…」
「私は、これからイカ退治に」
グラドリエルの目が据わっていた。
折角のバカンスを邪魔されたせいもあるが、それ以上に、強そうな相手を見てしまった事もある。剣士としての血が疼いたのだ。
「俺も行く」
エドワードは、砂浜に突き立ててあった剣を引っこ抜く。津波で半壊で済んでいた海の家が全壊に近いまでになっていたのを恨んでいた。
「俺もいくぜ。
 あのデカイカどもには、少々借りがあるんでな」
過去、フリードルフィン号の船首を破壊され、しばらく海賊業に戻れなかった事を未だに根に持っていた。あの時は、船の修理費だけで赤字になったんだぞこの野郎。
「行きます!」
三人は、グラドリエルを先頭に駆け出した。


テンタクルスは、長い触手で海水浴客を絡め取っていた。
一つの触手が大きすぎて数十人ほどを絡めとっていたが、その客を口に運ぼうとしたその瞬間、すっぱりと綺麗に切れて海水浴客ごと海に落ちていく。
海生類独特の無機質な眼差しが捕らえたのは、小さなゴミのような何かだった。
そのゴミが動くたびに、足が次々と落ちていく。
怒りの咆哮をあげて触手を振り回すが、次々に切り落とされていった。
この大きさになるまでいろんな敵と出会ったが、こうまであしらわれた事はない。巨大海生類のプライドに火がついて、テンタクルスは自らの身体を怒りの色に染め上げた。
「野郎、本気になりやがった」
触手から触手に飛び移っていたポートガスが、ニヤリと笑った。
「上等だ」
触手に剣を突き立てていたエドワードもポートガス同様に笑う。
「エドワード、ポートガス! 他の触手をお願いします。私は一気に決着をつけます」
「わかった」
「オッケー」
そう応えるなり、それぞれ触手に向かって散っていった。
「それでは、わたしも」
手にした大剣を天に掲げ、手にしたスクロールを片手で振ると、帯のように長く延びていく。
それが生き物のように大剣に巻きついていき、剣全身を包むと、一度だけ眩しく光って、スクロールだけが弾けとんだ。
現れた刀身には、青白いスパークが絡まっていた。
雷光を纏った魔法剣ライトニングソード。海生類にとって脅威の必殺剣である。
襲いくる無数の触手は、グラドリエルの剣の一振りで紙を切るように裂けていく。
トントンと触手に飛び移って、グラドリエルはテンタクスルの頭頂部に到着した。
一つ大きく息を吸うと、渾身の力でジャンプをした。

エリエルとシドラエルは、光を見た。
それは、神が投げ下ろす雷光という名の光と、同じ物であったかもしれない。
テンタクスルの頭上から真下に向かって一直線に雷光が落ちた同時に、動きがピタリと止まった。触手がダランと力なく垂れ下がったかと思うと、テンタクルスの頭頂部に切れ込みが入り、それがみるみるうちに広がっていった。
真っ二つになったテンタクルスは、左右に別れ落ち、大きな波しぶきを立てた。
かくして、海水浴場を襲ったテンタクルスは、裂きイカになって散っていった。

イカを焼く香ばしい匂いが、浜辺に漂っていた。
「やっぱりイカは取れたてに限りますね」
グラドリエルが、串に刺さった焼きイカにかじりついた。
横では、小さな串に刺したイカにアーリアが挑んでいた。
「ほんと。おいしい」
エリエルとシドラエルの二人も満足そうにしながらも、上品にかじりつく。
「失礼しちゃうわ。
 いきなり海から出てきてあたしを溺れさすなんて」
怒りをぶつけるように、プロセルピナは串イカにかじりつく。
「無事でよかったです」
「ふん…」
照れくさそうにグラドリエルから目をそむけて、一口頬張った。
「それにしても、あんな大きなイカを一撃だなんて、凄いわ」
シドラエルが感動して、にこにこと微笑んでいた。
血色も良すぎるほどだった。頬だけでなく、微かに日に焼けた肌もほんのり赤い。病弱だった頃には見られない姿だ。
グラドリエルは、それを見れただけでも、倒した甲斐があったと内心喜んだ。

一方。エドワードとポートガスは、海の家の瓦礫の中から鉄板と焼き道具を掘り出して、店先でイカを裁いては焼いて売っていた。ポートガスのいかの切り身を宙に投げて一瞬で捌く曲芸も受けていた。オヒネリも飛び交っている。
海の家再興は、そんなに遠い先の話ではないかもしれなかった。

潮騒が聞こえた。
船宿「イゴールの食卓」の部屋で、明かりも灯さずに窓に寄りかかって、プロセルピナは月明かりを受けてキラキラ輝く海を見ていた。
ずっと昔から、そしてこれから先も、変わらずにそうしているのだろう。
散々な一日だった。
正直そう思った。
グラドリエルにはしてやられっぱなしだったし、溺れかけてさえいる。でも…と思う。
自分は今まで、こんな風に誰かの中に居た事はなかった。
物心ついた時から、身近に居たのは、オババだけだ。両親の顔は知らない。
それでも構わないと思った。寂しくなんか無いと思っていた。
それが今日、間違っていた事を知った。今まで、寂しく無いと思っていたことは、本当に寂しいっていうのがどんな事なのか知らなかっただけだ。寂しく無い中に居て、初めて寂しいというのがどんな事なのかわかった。一人がいいと思っていた自分が居たなんて、信じられない事だった。
エリエルとシドラエルの優しさと暖かさ。初めて会った時以来、二人の姉妹の事は好きだったし、いがみ合うものの、なんだかんだでも自分を構ってくれるグラドリエルも嫌いではなかった。
同じ年頃の子と話した事もなかった自分にとっては貴重とも言える存在だった。それに、女王という立場なのに、魔法を恐れもせずに対等に立ってくれる。
プロセルピナは、訳もなく滲む涙をぐいっと拭った。
拭っても拭っても、じわじわと沸いてきた。こぼれ落ちないように、何度も何度も拭った。
落とさない。絶対落とさない。落としたらあたしは負けてしまう。寂しさに負けてしまう。もう一人では居られなくなってしまうから。
それでも、この旅が終われば、また自分は一人になってしまう。
やだ…一人に戻りたくない。もう……いやだ。
不意に、記憶の中から、泡がフワフワと浮かびあがってきて、パチンと割れた。


まだプロセルピナが小さい時だった。

ある晩、不意に目を覚ました時に、彼女を包んでいたのは、夜の闇だった。
窓から差し込む月の明かりは、冴え冴えとしながらも、闇を浮き立たせる為の物だった。

プロセルピナは闇を恐れた。
あの暗い向こうの世界から、誰かが手招きをしているのではないかという恐怖。
一人で居たら、連れて行かれてしまうという不安。
闇の力とは、そんな力だったのかもしれない。

彼女はその力に怯えて、布団を口元まで引き上げて、目だけをきょろきょろとさせていた。
すると、部屋のドアが開いて、明るい光が差し込んだ。
蝋燭の光だというのは、すぐにわかった。暗闇が声無き悲鳴をあげて逃げていく。
その光を持っていたのは、オババであった。
オババが、ゆっくりとプロセルピナの側にやってくると、プロセルピナはがばっと跳ね起きてオババに抱きついた。しかし、オババは驚きもせず、まるでそうなることが判っていたかのように、こう言った。
「プロセルピナ。どうしたんだね? 寂しいのかい?」
「寂しくなんかないよ」
「ウソをお言いよ。どんな事を考えているのかなんて、アタシにはすぐにわかっちまうのさ。ヒッヒッヒ」
「それって魔法の力なの?」
「そうさね……お前がもっと大きくなったら、きっと使える力さ」
「ふうん……」
「でも、一人ではダメさ。一人で居たら、この魔法は覚えられない」
「一人じゃダメなの?」
「ああ……」
「あたし、一人だっていいもん」
「……そうかい」
「それに、あたしには、オババが居るもん」
「そうかいそうかい…でもね……アタシじゃ駄目なのさ…アタシだけじゃ……」


プロセルピナは、不思議と引きかけた最後の涙を、手の平で拭った。
思い出を拭い取るように。
月の光が切り取ったプロセルピナの影が、こう呟いた。
まだ夢の魔法から覚めていなかったのかもしれない。
「あたしわかったんだ」
「何を?」
鼻水をすすったプロセルピナが、そう聞いた。
「わかったの」
「だから、何が……」
「わからないの? わかっているのに?」
「わからないわよっ! わからないんだから……」
プロセルピナが声を荒げた。
「プロセルピナ…居るのですか?」
そう声がして、プロセルピナははっとして振り返った。
シドラエルが、奇妙なローブのような服に身を包んで立っていた。
月の光を受けたその姿は、綺麗な黒を背景にした絵画のようでもあった。
「これは、ユカタという着物なんですよ。どうですか?」
「………似合う」
ぐしっと鼻を鳴らしたプロセルピナは、シドラエルから視線を逸らした。
「……綺麗ですね。ここからの眺め」
シドラエルは、プロセルピナが身体を預けていた窓によいしょと座る。
「……」
「今日は楽しかったわね」
「うん…」
「……」
それからしばらく、二人は何も言わなかった。
沈黙を最初に破ったのは、プロセルピナだった。どんな魔法使いにも使えない、月の魔法のせいだっただろうか。
「……そっちに行って……いい?」
「……いいですよ」
シドラエルは、優しく応えた。
照れくさそうにしながらも、シドラエルの側にやってきてちょこんと座ると、シドラエルがそっとプロセルピナの頭をそっと抱き寄せた。

そうして欲しかった事を先にしてもらった。
それがプロセルピナには、どれほど嬉しかった事か。

「……いい匂い」
「ほんとですか?」
嬉しそうな声だった。
「グラドリエルが小さい時、よくこうしてあげたわ」
「……」
「あの子、物心着いた頃には、すでにお母様とお父様を亡くしてるでしょう。
 表立って寂しがったりしなかったけれど……」
「でも、一人じゃなかった」
グラドリエルに対して僻んだのは、プロセルピナもわかっていた。
グラドリエルの境遇だって十分にわかっている筈なのに、つい出てしまったのだ。
「そうね。私達が居ましたから」
「………ごめんなさい」
シドラエルは、答える代わりに、ゆっくりと頭を撫でる。
「でも、あなただって、一人じゃなかったでしょう? 一人だったら、今こうしてここにあなたは居ない筈だもの」
不意に、オババの顔が浮かぶ。
あの時、オババはこう言った。
「高い所へ登れば低い物が見えてくる。
 広い所へ行けば、狭い所がどこなのか感じられるようになる。
 明るさを知れば、暗いというのがどんな事だかわかる」
なんの事だか、さっぱりわからなかった事は覚えていた。
でも、それがいつかわかるようになるかもしれない。それはもしかしたら魔法の力を使えるようになれば。きっと。
そう思っていた。
魔法はなんでもできる。夢をかなえてくれる。
そう教えてくれたのは、オババだった。だから、魔法使いになると言い出したのはプロセルピナ自身であった。
何を望んだのか、今となっては思い出せない事だったが、これが知りたかっただけなのかもしれない。
魔法なのか、そうでないのか。
「やっぱり、魔法…なのかな」
「何がですか?」
シドラエルの問いに、プロセルピナは首を小さく振った。
「なんでもない。そうなのかなあって思っただけ」
「そうですか」
シドラエルは、小さく微笑んだ。答えがそこにあるなら、それでいい。そんな風に。
「寂しかったら、遠慮なく遊びに来てくれて構わないのですよ。
 グラドリエルは忙しい時もあるけれど、私達なら少しは時間がありますから。
 ベットも広いから、寝る場所くらいはありますよ。
 エリエルお姉さまも、私と同様に思っています」
大声で叫びたいくらいに、
「別に……寂しくなんか」
「そうですか」
シドラエルは、クスっと笑った。
「……でも、気が向いたら行くかもしれない」
「ふふっ……じゃあ気が向いたらいらっしゃいな」
そう言うと、プロセルピナはシドラエルからそっと離れて、嬉しそうに笑った。
「グラドリエルも、同い年の子が身近に居ないから、ああ見えても、結構寂しいのですよ。
 良ければ仲良くしてあげてくださいね」
「そうね。遊んであげてもいいわ」
「あなた達、きっといいコンビになると思うわ。
 いずれ、王国を背負って立つのは、あなたみたいな人かもしれないわね」
「へへ…」
そう言われて悪い気はしない。プロセルピナは、得意そう微笑んだ。もう滲んでくる涙は無い。
一人じゃない。それがわかっていたからだ。
「まだグラドリエルとお姉さまがお風呂に入ってますから、行ってみてはどう?」
「うんっ。それじゃ行ってくる」
立ち上がって、脱兎のごとく部屋を出ていった。
見送ったシドラエルは、夜の海に目を向けた。
「……お母様、お父様。私はなんとか大丈夫みたいです」
シドラエルは、ふっと息を吐いて、下腹に力を入れた。


「魔法は素敵〜なんでも出来る〜」
風呂場から聞こえてくる、三人と妖精一人のコーラスを聞きながら、エドワードは薪を割っていた。
人がこんなに苦労しているのに。
なんていう気持ちは、聞こえてくる歌に即座に掻き消されて消えていく。
こんな歌が聞こえてくるのなら、ずっとこのままでも悪くない。
エドワードは、そんな自分を自嘲したのか、口元を片方だけ吊り上げた。
「よう。ご苦労な事だな」
暗闇から、そんな声が投げかけられた。
ただ、声の主の視線は、エドワードではなく、月に向けられていた。
「なんでお前がここに居る。風呂でも覗こうってのか。叩き切るぞ」
「バカ。お前より先に女王様に鱠にされちまうぜ」
「ふん……」
「ほれ」
ポートガスが投げた物を、エドワードが受け取った。
「ヴォルガのハートワインだ。月夜の海を見ながらってのも乙なもんだぜ。海賊式だ」
エドワードはフッと笑って、鉈で薪をポートガスに向けて弾き飛ばす。
ポートガスの前に届く前に、小さく風を斬る音と共に、蒔は四つに分かれて落ちた。
「それで今日の仕事は終わりだ」
ニヤっと笑ってから、
「いいだろう。海賊式とやらに付き合ってやろうじゃないか」
エドワードは汗を吹いてから、ポートガスに酒瓶を投げ返した。


グラドリエルとプロセルピナを挟む形で、エリエルとシドラエルは床についていた。
すでに、グラドリエルとプロセルピナは、すやすやと安らかな寝息を立てている。同い年の姉妹のようであった。
「ジェストナイには悪いことしましたね」
エリエルが小さな声で言った。昼間なら聞こえない声でも、こんな夜なら聞こえる。
「怒られてしまいますね」
「そうですね」
二人は笑い合った。お互い見えなくても、それぞれが笑っているのはわかっていた。
「今日の事は、私、一生忘れません」とシドラエル。
世界は広いという事を初めて知ったのだ。身体を動かす喜びも知った。忘れられる筈もない。
「私もよ」
エリエルの望みが一つ適ったからだ。
妹達とこうして居られる事。
それが望みだった。
穏やかな空気の中、眠りの精が二人を夢の世界に誘おうとしたときに、寝返りを打ったグラドリエルの足がプロセルピナの足の上にのしかかった。
「うーん……」
すると、プロセルピナが、
「なにすんのよう……この……ぺったんこ女王……今度は負けないんだからね…」
反撃するように寝返りをうって、うーんと唸る。
「まあ……」
二人はくすくすと笑って、妹達の乱れた布団を直した。
やがて、夜は過ぎていった。

数日後。
ヴァレンディア城。
グラドリエルが、ジェストナイの部屋に赴き、ノックをしたが返事がなかった。
この時間には、必ずここに居る筈なのに居ない。
不思議に思ったグラドリエルが、扉を開くと、ジェストナイは背中を向けて椅子に座っていた。
「居るのなら…」
と言った時に、カクンと首がしなだれたと思うと、そのまま前のめりの格好のまま崩れ落ちた。
慌ててグラドリエルが駆け寄った。
「……やられましたか」
ローブをめくったグラドリエルが、ため息と共に言う。
豊かな髭を毛糸で作ってつけてある人形には「ジェストナイ」と書いてあった。
グラドリエルは苦笑して、人形を元の椅子に座らせて、ローブを被せた。
「ジェストナイ。今日はお疲れのようですね。ゆっくり休んでください」
グラドリエルは、ゆっくりと部屋の扉を閉じた。

「じいさん。こんな所でのんびりしてていいのか?」
「相変わらず口の聞き方のなっとらん騎士じゃ」
デッキチェアーに座ってトロピカルジュースを飲んでいたジェストナイは、深い皺を笑いの形に歪めた。
いつものローブではなく、南国ムードたっぷりなシャツなのが、エドワードを苦笑させた。
「イカを氷漬けにする為に、わざわざここまで宮廷魔術師を何人か連れて来てやったんじゃ。のんびりしてもいいじゃろう」
「わざわざじいさんが出向く事もないだろうに」
「わっはっは」
ジェストナイは、大きな声で快活に笑った。


大陸は、今日も平和が溢れていた。

Fin

後書き

プリンセスクラウンの小説をお贈りします。が、今回はいつもと違ってえらい半端なスチャラカ劇をぶちまけてしまいました。
最初ギャグ路線で行こうと思っていたんですが、最後の方になるにつれて、なんかマジ風味になってしまって、こりゃイカンと思う事しきり……
時間ギリギリだったので、そりゃもう書き残した事の方が多くて、まとまりの無い物になっているのは、私よりも読んでくれた(最後まで読んでくれた人がどれだけ居るかわかりませんが(^^;)皆さんの方が感じ取っておられる事と思います。この場を借りて、反省したいと思います。
(夏コミに出したので、そのあたりのぎりぎりっぷりが後書きの随所に(泣))


作品情報

作者名 じんざ
タイトルプリンセスクラウン
サブタイトル海水浴狂詩曲
タグプリンセスクラウン, グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
感想投稿数81
感想投稿最終日時2019年04月09日 07時55分09秒

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  • [★★★★★★] こういうの、凄く好きです。
  • [★★★★★☆] 読点が多くて読み難い以外は最高でした!
  • [★★★★★☆] ジュストナイの逆襲がほのぼので良し!
  • [★★★★★☆] ほのぼのとした感じでよかってですね
  • [★★★★★★] グラドリエル様の登場するシーンに感動しました。
  • [★★★★★☆]  プリンセスクラウン2でも彼らには是非とも登場してもらいたいです!!
  • [★★★★★★] グラドリエル様とエドワード様の話も読んでみたいです。 
  • [★★★★★★] クエイン騎士団長も次は登場してもらいたいです。
  • [★★★★★★] あれから2年、女王グラドリエルの新たな戦いが始まる。 
  • [★★★★★★] すばらしい小説よく書いた!感動した!!!!ありがとう!!
  • [★★★★★★] この国の未来は明るい。しかし、私はプリンセスクラウン2を望まずにはいられない。
  • [★★★★★★] この国の未来に栄光あれ!!そこから2は始まるだろう。
  • [★★★★☆☆] もう昔のソフトとなってしまいましたが、私としては今でも大好きなソフトです!続きを作って、あの時の感動をもう一度思い出させて下さい!!
  • [★★★★★☆] いやぁ、おもしろく読めました。個人的には、エドワードやポートガスの話もみたいです。
  • [★★★★★★] 時は直に来る
  • [★★★★☆☆] こんなゲーム、もう出ないんだろうね・・日本では
  • [★★★★★☆] あのラストの続きは平和では無いと思いますよ?やっぱり
  • [★★★★★☆] こんどは男性キャラも活躍するものを書いていただきたい!
  • [★★★★★★] グ、グラドリエルが可愛い…(w
  • [★★★★★☆] 四季折々のイベントごととか見たいです!
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