土曜日。

 学生にとっては、この曜日は他の曜日と圧倒的に感覚が違う。
月曜日に学校が始まって、そして迎える土曜日。
次の日曜日という、輝かしい日を飾る曜日。
それが土曜日だ。
別段学校が嫌いという事もないが、それでもなぜか日曜という日と、それの
前夜祭のような土曜日という日には、特殊な感覚を抱くのは確かな事実だった。
あと10分、あと10分でその輝かしい時間にたどりつける。
そう思いながら、俺は授業そっちのけで時計と、突き抜けるような青さの
空ばかりを見ていた。
開けた窓からは、時折やさしく触れてくれるような風が入ってきて、
土曜の午後への期待感を高めてくれる。
風の中の新緑の匂いも、そんな要素のひとつだ。
そのお蔭で、教師の声など、右から左だ。いや、入ってこないんじゃないかとさえ思う。
ふと隣の席に目を移すと、委員長の姿が目に入った。
目に入った・・・じゃなくて、目に入れるために移したというのが正しいな。
委員長をじっと観察していると、ノート、黒板、ノートの順に視線を写して、
カリカリとシャーペンを動かしている。機械のような作業だな・・・と思った。
以前ならば─────だ。
俺がしばらく見ていると、委員長はチラっと目だけを動かした。たまに気まぐれで
動かしたのだろう。その時、視界の隅の俺に気づいたのか、ハッとして、ノートに
走らせていたペンの動きを止めた。
止めてから、目だけはなくて、小さく顔まで向けてきた。
俺は、よう、と机に突いていた手を、手首だけあげて挨拶した。声はもちろん
口だけを動かしただけだ。
すると、委員長は、どこかバツの悪そうな表情をして、慌てて前に向き直った。
しかし、慌てた顔の頬に、サっと赤みが刺したのを俺は見逃さなかった。
前に向き直った委員長は、数秒だけ何事もなかったかのように、黒板の方を
向いていたが、視線だけはそうもいかなかったようだ。
チラチラと、視線が何度かこっちを気にした風に向いてくる。
確実に委員長の頬の赤みだけがましていった。
昔流行った林檎病みたいだな・・・
視線が「なんやの」と、聞いてきたような気がする。
「べつに」と、視線にそう言葉を込めて返した。もちろん、具体的に通じるとは思って
ないが、伝わるんじゃないかくらいは思いながら。
通じると伝わるでは、俺的にもニュアンスが違うのだ。
あの時、お互いの気持ちを確かめ、心と身体を繋いだ人が俺の隣に座っている
不思議さと同時に、この教室という空間に、そういう事をしたという男女二人が
居る事自体に、奇妙な違和感みたいなのを感じる。回りはどうか知らないが、
俺と委員長は、すでに友達の枠を大きく踏み越えているだけに、ちょっとした
視線の応酬でも、伝わる物が他の奴より何十倍も多い・・・と、自分でも思っている。
視線の会話に、元々意味はいらないのかもしれない。なんて、最近になって
思う事さえあるほどだ。
俺は、委員長から視線を外して、時計を見た。
あと2分。
教室の時計に秒針がついてないのを憎みながら、俺は120秒を数える事にした。
1、2、3、4・・・・・・・・・・
ゆっくり数えていると、俺の手の上にコツンと何かが当たった。
時計に奪われていた意識がいきなり引き戻されて、俺は何事かと机の見ると、
小さな消しゴムの塊が手のそばに転がっていた。飛んできた方向はすぐにわかった。
横を見ると、委員長はまったく何事もなかったかのように前を向いているだけ
だったが、消しゴムの角が小さくかけているのに気づいた。
以前ならば、こんな志保みたいな真似は絶対にしてこない筈の委員長に、俺は
改めて新鮮な物を感じて、ニンマリと笑った。
背負い続けていた重荷を下ろしてやれた事もあってか、かなり悪戯っぽく笑ってやった。
その反応にタイミングよく委員長が、横目だけで視線を向けてくる。
俺の笑顔に気づいてか、恥ずかしそうに、あわててまた前に向き直った。
それと同時に、土曜の終わりのチャイムが鳴りだした。俺にとっては
土曜の始まりの為のチャイムだ。
チャイムが鳴ると、教室にざわっと解放されたような空気が満ちる。
空気が緩む─── そんな一瞬だ。
「それじゃ終わりだ」
授業担当の先生は、淡泊に言って、呆気なく教室を出ていってしまった。
その時になって、ようやく俺は背伸びをする事が出来た。一週間たまっていた
ものを吹き飛ばすように。
「ふあぁぁぁぁぁぁ」
同時に大きな欠伸が出てくる。
「なんやの。眠そうね」
委員長が声をかけてきた。
「あぁ?」
欠伸の終わり際の声を言葉に変えながら、委員長の方を見ると、ノートと教科書を
トントンとまとめながら、こっちを見ていた。
表情は微笑みだ。
「昨日、よう寝てへんの?」
眼鏡の奥の瞳が、優しげに細そまった。
「いや、ばっちり寝てたぜ」
「それにしちゃ、でかいあくびやね?」
可笑しそうに微笑んでいる。呆れた風に言われそうな、一ヶ月以上前が、まるで
嘘のようだ。
「学生なら、土曜にこんな欠伸は当然だろ?」
「それは…君だけやと思うけど」
クスクスと笑う委員長。
最近になって・・・あの時以来、委員長は笑う事が多くなった。
それのせいか、気軽に委員長に話かける奴が、わずかながら増えてきつつあった。
男子女子共に・・・だ。
笑顔の力というのは凄い。というのを、改めて実感した。
クラスの解放された喧噪の中、委員長の笑顔は特に映えている。そう思うのは、
俺だけだろうか。
「・・・・」
「・・・なんやの?」
俺が無言で委員長をずっと見ているのに気づいて、不思議そうな表情で訊いてきた。
「・・・・いや、別に」
いい笑顔だよな。そう言おうと思ったが、教室でそんな事を面と向かって
言うのも恥ずかしい。
男の羞恥心は、こういう所で発揮されるもんだ。
「あ、それより、ちょっと話があるねんけど、つき合ってくれへん?」
「あ? なんだ?」
「う、うん・・今ここじゃ・・・」
委員長は、少し口ごもりながら、俺から視線を外して眼鏡をかけ直した。
なにげなく、少し視線をあたりに巡らしてさえいる。
「なんだ?」
「と、とにかく、この後のホームルーム終わったら校門ところで待ってるわ」
そそくさとカバンにノート教科書を詰め込んだ委員長は、「ちょっと出てくるわ」と、
教室を出て行ってしまった。
「・・・なんだ?」
一人残された俺は、どうしていいかわからずに、とりあえずノート類を片付けて、
外を見た。
屋上には負けるが、ここからの眺めもいい。
所々に見える木々には、若い緑の鮮やかな色が目立つ。
春以上夏未満。
若い季節。
俺と委員長も、今この季節の中に居る。
また季節が巡ってきても、俺達は変わらないで居られるだろうか。

 下駄箱を出ると、強い日差しが俺を出迎えた。
まるで夏でもあるかのような日差しに、俺は目を細めて空を見上げた。
鮮やかなくらい青い。
もうそろそろ半袖の季節だな。
視線を校門に向けると、校門に向かう生徒の中で、一人だけ立ち止まっている
姿が目に入った。
HRが終わるなり、先に外に出ていた委員長だ。
俺は一直線に委員長の元へ向かった。途中で委員長も俺が近づいてくるのに
気づいたらしく、こっちをずっと見ている。
見つめあったまま近づく事に、なんだか照れくささを感じて、俺はちょくちょく
視線を逸らしつつ近づいた。委員長は、俺とは違って、ずっとこっちを見つめたままだ。
変な所で、男女・・・・いや、俺と委員長の羞恥心の差が別れるな。
「よう」
いまさら挨拶もないが、とりあえず手をあげた。
「・・・」
委員長も、手をあげて応える。
「なんだ、用事ってな?」
別段気になっていた事でもなかったが、とりあえず聞いてみた。
「別にたいした事やないねん。帰り際に話すわ」
「そっか・・・」
どんな話かと思ったが、笑顔が出てくるなら悪い話でも無いだろう。
「じゃ、行こうぜ」
「うんっ」
今頭上にある太陽と、委員長の笑顔。どちらがまぶしいか、真剣に考えてしまった。

 町へと伸びる坂道。横を見れば、町並が広がって見える。
うちの学校周辺の良い所のひとつだ。
しばらくは、二人して無言で歩いていた。
風の中を、光の中を、この気持ち良い土曜の午後の中を、並んで歩いているだけで
良かった。
ずっと言葉を交わさなくてもいいような気がした。
「・・・今日、予定ある?」
不意に今までの沈黙を破ったのは、委員長の方が先だった。
声を聞くと、今までの言葉の無い時間より、声を聞けた方が良くなってくるから不思議だ。
「予定? 別にないけど」
「そう・・・」
「なんだよ?」
「あのな、今日・・・・・」
少し口ごもりながら、言ってから、何かを覚悟したように続けた。
「今日・・・暇あらへん?」
「さっき予定ないって言ったぜ?」
「あ、ああ、そやな」
動揺しているのがバレバレだ。
それからしばらくの沈黙の後、
「・・・・わたし、今日は朝出掛けに、今日は友達んとこに泊まる言うてきてるんや」
言いにくそうな台詞を、無理矢理押し出したような、そんな口調だった。
しかし、その言葉だけで、だいたい言いたいことはわかった。
「別にいいぜ。今日も明日も相変わらずあの広い家に一人っきりだしな」
「ほんま?」
「ああ、ほんまだ」
最近になって、特に委員長と一緒に居る機会が増えたせいか、軽いノリの時には
ついつい関西弁モドキを使ってしまう事が多い。逆に、委員長の方は、俺と話す事に
よって、関西弁のイントネーションが、ほんの少しだが、消えつつあった。
もちろん、こっちの環境というせいもあろうだろうが、とにかく、より関東弁に
近づいたという事だけは確かだった。
それだけお互い話すようになった事を喜ぶべきだろう。
ただ、委員長の場合、昂った時は本来の言葉の方が使いやすいようだ。
楽しい時、怒る時、悲しい時、アノ時・・・だ。
「今日は、これからずっと一緒に居ていいんやな?」
「オーケーだ」
快活に笑ってみせると、躊躇せずに俺の腕にしがみついてきた。
「お、おい。いいのか?」
「いいって、なにが?」
「他の奴に見られるぞ」
別に、クラスの奴らに黙っている訳でもないが、つき合っていると教えるつもりも
無い。が、印象を固くもたれている委員長の事を考えての事だったが、委員長自身が
気にしないのであれば、俺は何も言うつもりもないし、委員長になんかあっても、
俺は守るつもりでいた。
「ええやん、見たい奴には見させたったらええんや」
どうやら、気にはしてないようだ。
もともと、回りの目を気にするタイプでもないのだろう。それだけ自分をしっかり
持っている証拠なんだろうな。
信じたらそれに一直線。だからこそ、傷つく時もその分大きいのだろうが、その
時には俺が居る、俺が守る。そんな決心が胸に深く残っていく。
「志保とかに見つかったら、次の日には俺達公認になっちまうぜ?」
試す気持ちで、深くつっこんで見た。
「公認されたらイヤなん?」
そう言って、悪戯っぽい表情を向けてきた。
逆に試されたような気がする。
のぞむ所だ。
「イヤなんかじゃないぞ。公認になったら、堂々と見せつけてやる。まあ、今でも
委員長との事隠してるつもりもないけどな」
「わたしも、それでええよ」
腕をもう離さないとでも言うのか、ギュっと力を入れてきた。
たとえこの腕が離れても、心だけは離さない。
そう誓ってもいいと思えるほど、愛しさがこみ上げてくる。
「・・・ねえ」
「ん?」
「前から聞きたかったんやけど・・」
真っすぐに俺に視線をあわせてきた。
「わたしの事、ずっと委員長って呼ぶつもりなん?」
「なんだ、イヤか?」
「ううん、イヤなんと違うけど、どうして名前呼んでくれへんのかな・・って」
寂しいというより、どうして? という感じに近い聞き方だ。
「うーん、なんつうかな、俺ん中じゃ委員長は委員長だし、それが名前みたいな
感じってのもあるしな」
「そんなもんなん?」
「だからって、別に智子って呼ぶのが照れくさいって訳でも・・・・」
俺の一言一言を、聞き漏らさないようにこっちを見つめている委員長を見たら、
その先が言えなくなった。
訳でもある・・・な。
「と、とにかくだ。イヤだったらちゃんと名前呼ぶぞ」
「ううん、イヤやない。そう呼びたいなら呼んだってもええわ」
そう言って、しばらく無言のまま歩いてから、
「・・・でも、いつか、ちゃんと呼んだってな。いつでもええ、わたし待ってんねんから」
「・・・ああ」
腕に絡まった委員長の腕に手を乗せて、笑顔で応えた。

「こんなもんでええ?」
俺が持っているスーパーの籠の中を見てから、俺を見た。
豚ヒレ肉のパックに、キャベツにネギ、トマトに大根ゴボウなどなど、
籠の中は、ごっちゃと食材が詰まっている。
「別にいいけど、大丈夫なんか?」
「まかしたって」
自信ありげに微笑む委員長。
「すげえな、こんな材料一気に使った物食ったら、俺の胃袋ビックリするんじゃねえかな」
「普段から、きちっとしたものちゃんと食ってへんからや」
少し真顔になって俺を見つめてきた。
「う、それはもっとも・・」
非難しているのではなく、俺の事を気遣ってというのが、ヒシヒシと感じられる
だけに、今の委員長の言葉は重く感じた。
最初の頃は苦笑で済んでいた、カップラーメンを食っている事も、次第に
心配させる種になっていくのが、委員長の表情を見ていればわかった。
「わたしが、しょっちゅう行けたったらええんやけど・・・」
「そんな事考えなくてもいいよ。わかった、しっかりやるから心配するな」
願っても無い言葉だったが、心配させるほどどうしようも無い奴にはなりたくは
なかった。もっとも、甘えてみる分にはいいのかもしれないが。
「ほんま? 信じるよ?」
「OKOK。だから、さっさと買っちまおうぜ」
俺が笑うと、安心したように委員長もうなずいた。

「おじゃまします」
委員長は、あがるなりそう言った。
「俺しかいない所で、別に言わなくていいよ」
「一応礼儀やから」
靴を揃えた委員長が、立ち上がってニコリと笑った。
当然、言われて悪い気はしないし、それが心地良いのだから、俺も止める理由は無いな。
「それにしても、いつ来てもキッチリ片付いてねんな」
居間に入るなりの委員長の第一声がこれだった。
「そりゃそうだ。ロクに散らかしたりしないからな」
「ほんま? 誰か来てるんと違う?」
悪戯っぽい響きのあるその言葉に、少なからずグサっと来た事があるのは
確かだった。しかし、それは・・・・
「たまにあかりが来たりするけど」
隠し事でもなんでもないし、あかり達と俺の関係も、委員長は知っている。
だから話した。事実だ。
「そう・・・」
その時になって、今日初めての、寂しそうな表情をした。
眉尻が少し下がったような感じだ。
「なんだよ。怒ったのか?」
「ううん・・・そうやないけど・・」
「片付いてるのは、俺が散らかさないだけで、今の状態がいいのは・・・・」
「・・・ごめん。ほんまはちょっと心配してた」
委員長は素直に言ってから俯いた。
片付けたのは、目の前で俯いている委員長だ・・・・と言っても、以前に来た時に、
ちょちょいと手早く整理した。というレベルだが。
それがわかったから、委員長は素直に謝ったのだと思う。謝られる理由もないが、
それじゃ委員長の気がすまないのだろう。
俺は、すっと近づいて、委員長を抱き締めた。突然の事に、訳もわからずと言った風だ。
「馬鹿。いつか言った言葉、嘘じゃないぞ・・・」
一人にさせない。いつかの時に俺はそう言った。紛う事ない、本当の気持ちだ。それは
今でも変わっていない。むしろ、募るばかりだ。
「・・・うん」
小さな返事と同時に、抱き締められたままの委員長の手から、カバンとスーパーの
ビニール袋が落ちた。
手は、俺の腰にまわった。
制服のまま抱き合う俺達。
つい数時間前は、同じ格好をした奴らの中に居た俺達。
そんな俺達が、今こうしている事が、不思議でたまらなかった。
もし委員長と出会ってなければ、もし俺の席の隣に居なかったら・・・・
そんな事を考え出すと、訳も無く不安になって、抱き締める腕に力が入る。
しばらく、お互いの体温を感じてから、どちらからともなく離れた。
「・・そ、それじゃとりあえず昼飯でも作ろうか」
「そうやね」
さっき浮かんだ寂しい表情は、笑顔の為の栄養だったのかもしれない。
「そや、藤田君。ご飯って炊いてる?」
「ああ、炊いてるぜ。今日も朝ちょっと炊いたけど、それが少し残ってるぞ」
「どれくらい?」
「そうだなぁ、ざっと二人前ってとこか」
「・・・・そやったら、チャーハン作るけど、それでええ?」
「おお、ええよ。とりあえず本チャンの料理は夜だからな」
今は、この空腹をなんとかしたかっただけに、手軽にイケるチャーハンは
俺の食欲に激しくヒットした。
「夜は炊きたての方がおいしいと思うし」
「それで一丁たのむぜ」
「うんっ」
明るい返事と共に、腕まくりをした。
気合いが入っているな。
「俺も手伝うか・・」
気合いに当てられたようだ。

「へえ、思ったよか手付きいいじゃん」
委員長が中華鍋を振るう姿を見て、感心のせいで思わず唸った。
同時に、エプロン姿に少し見とれた。委員長持参のエプロンは、素気ないデザイン
の緑色の普通のエプロンだが、下が学生服ともなるとイメージは随分違う。
「おかんがおらん時は、自分で料理しないとあかんから・・・」
俺が褒めたせいなのか、それとも、料理をする所を見られるのが恥ずかしいのか、
少し照れくさそうに微笑んだ。
「でも、結構いいと思うぜ」
「軽いもんですませてまうから、こんなんくらいしか出来へんけど」
「夜のは大丈夫か?」
「ああ、それやったらまかして。きっちり予習やってきたさかい」
鍋の飯をかき混ぜながら言った。
「予習ね・・・」
俺は苦笑した。
「予習は大事や。馬鹿にしたらあかん」
俺が苦笑した理由はそうじゃなかったが、真面目な顔で言われると、何も言えなく
なってしまう。
「・・・・失敗したのなんか、食べさせたないし」
チャーハンを炒める音に重なって、そんな声が聞こえてきた。
香ばしい匂いより、その言葉だけで腹が一杯になったような気分になった。

 その後、出来上がったチャーハンを平らげてから、俺は一息ついていた。
「うまかったよ」
「そう、そんならよかったわ」
空になった皿を目の前に、委員長は満足そうに微笑んだ。
その微笑みを見ながら、お茶をすする。食事の後はこれが一番だ。
湯気の向こう、俺の正面に座っている委員長を見る度に、不思議な気持ちになってくる。
「不思議やな・・」
一瞬、心でも読まれたのかと思って、心臓が内側から一発殴ってきた気がした。
「な、なにが?」
「ん・・・今こうしてる事。ほんの数ヶ月前は、藤田君の事も全然知らんかった
のに、今ここでこんな風にしてるて、想像だって出来んかったわ」
「そりゃまあな。俺だってそうだ」
「・・・・アイツらに感謝せんといかんかもしれへんな・・・」
「アイツらって?」
この場で、人の話が出てくる事に、俺は興味を覚えた。
「アイツらや。わたしのノートに落書きした・・」
「ああ、アイツらね」
思えば、俺が委員長に深く関わるきっかけになった事件だ。
余計な事だったのかもしれないが、結果的にはこうなるきっかけをくれたような
物だ。俺も委員長同様アイツらに、ある意味感謝してもいいとさえ思う。だがもう一回
やったら、タダじゃおかない・・・・とは思うが、委員長の最近の変わりようから
すれば、そんな心配も無いかもしれない。岡田はまだ抵抗があるみたいだが、他の
二人は、思ったほど委員長に馴染むのも早いようで、ぎこち無いながらも、少しの
会話もしているようだ。そのせいで、岡田の立場も少し危うくなりつつあるが、
それに関しては因果応報ってやつだろう。
「別に、だからってアイツらにありがとうなんて言えへんけど」
委員長の『アイツら』を語る時の表情に、すでに憎々しい表情がなくなって
いる事に、なんとなく安心感を覚えた。
「そりゃそうだ」
「まあ、最近はアイツらも殊勝な所もあるみたいやし、わたしも全然気にせんように
なってんねんけど・・・」
その言葉に、俺は内心でうぷぷと笑った。
「なんやの?」
内心が表情に出たのに気づいてか、委員長が怪訝そうな表情をする。
「いやぁ、別に」
わざとらしくシラっと言うと、委員長は、
「どうせまたろくな事考えてへんのやろ」と、フッと呆れた風に笑いながら言った。
それから、ふとお互いの目があって、
「・・・ははっ」
「ふふふっ」
俺達は笑い合った。
窓からは、少し傾いた陽の光が差し込んで、俺達の居るリビングを優しい光で
満たしてくれていた。
今この瞬間、時間が止まればいい。
そんな事をふと思ってしまうほど、緩やかで心地よい時間だった。

 後かたづけをしてから、俺達は夕方まで出かける事にした。
着替えたのは俺だけで、委員長は制服のままだ。
「着替えくらい持ってくりゃいいのに」
玄関で靴を履いている委員長を見て、何気なく言ってみた。
「そこまでする事も無い思うてん。持ってきたんは下着くらいなもんや」
「必要ないかもしれないぜ?」
「も、もう、アホ」
頬を真っ赤にして、そっぽを向かれてしまった。

 夕方まで、俺達は駅前を歩き回った。
ゲーセンでは、バイト先という特権を生かし、取り易いように動かして貰って、
普段の半分ほどの金額で倍のぬいぐるみをゲットした。
まあ、貰ってもよかったんだが、それじゃ気がすまんと、俺と委員長の一致した見解
もあった事だし、結果もオーライだ。
その後、本屋などを巡って、公園でのんびりしているうちに、日も段々と西に
傾いて来ていた。
昼間とは違って、幾分涼しくなった風がふわっと公園の木々の中を通りぬけていく。
「・・・なあ、委員長」
ベンチに腰掛けて、風が吹く度に水面が揺れて、キラキラと光を跳ね返す池を
見ながら、隣に座った委員長に話しかけた。
「ん?」
「まだ・・・・神戸に帰りたいって思うか?」
委員長がどんな表情をしているのか、見るのがなぜか恐くて、ずっと顔を
池に向けたままだ。
なぜこんな事を聞きたくなったのか。正直な所、なぜだか俺にもわからない。
安心したかったのかもしれない。
しばらくの沈黙────
委員長の頭の中では、どんな答えを用意しようかと迷っている風にも感じられる。
「・・・帰りたい・・・って言わへんかったら、嘘になるやろな」
小さな声は、半分は風に持っていかれた。
「・・・・・」
「わたしが高校に入るまで、ずっと生まれそだったとこやさかい、こっちに
どんな馴染んだとこで、向こう帰ったら、こっちと空気かて違うし・・・・」
「・・・・そっか」
「でも・・帰りたい言うたら、それも嘘になるねん」
「?」
俺は、その時になってようやく委員長の方を向く事が出来た。
待っていたのは、優しげな笑顔。
不意に吹いてきた風が、委員長の前髪をサラっと揺らして空に帰っていく。
「あっち帰ったら・・・・・藤田君がおらんやんか・・・・・・」
簡単な答えだった。これ以上もこれ以下も無い言葉だった。
その言葉に、どうしようも無いほど、抱き締めても何をどうしても、どうしようない程
の愛しさがこみ上げてきた。
それでも、なんとかそれを抑えて、肩を抱き寄せて、
「・・・絶対帰さない」
強引だと自分でも思う。もし、親の都合で本当に帰る事になったとしたら・・・なんて
思うが、その時は、なんとしてもなんとかするつもりでも居る。
それくらいの覚悟を、委員長の為ならばいくらでも持ってもいい。
高校生という無力な立場でも、やってやれない事はない。
「うん。帰らへん」
委員長は、頭を俺の肩に預けてきた。
良い匂いがほのかに届く。
委員長・・・・凄く良い匂いがするな。優しい匂いだ。
「藤田君がおらへんかったら、どこへ行ったかて意味ない・・・」
「智子・・・」
俺は、委員長の名前を自然に呼んでいた。
「・・・・」
茜色の地面のキャンバスに、俺達の影が長く伸びてくるまで、しばらくお互いを
無言で感じあっていた。

 台所から料理をする音が聞こえてくるのは、なぜか心が踊る物がある。
母さんが料理を作って居る時とは、何か違う物だ。
包丁がキャベツを切る音。油が何かを揚げる音。香ばしい匂い。
全てが、最近の我が家には無かった物だけに新鮮さを感じる。
「なんか手伝おうか」
「手順狂うからかまわんといて」
最初にそう言われた時点で、俺はずっと見守る専門だった。
声に真剣・・・というか、どこか必死な感じがあったせいもある。手伝ったりしたら
色々気を使わせる事になり、そうなると覚えてきた手順を狂わせる事になる。そういう
意味で納得した。それだけ一生懸命やってくれる事に、胸の奥がむずかゆくなるほどの
感動が押し寄せてくる。
感動に身を任せたまま、俺は居間をうろうろしながら、時たまキッチンに立つ
委員長の後ろ姿を見ていた。
制服の上は俺のシャツに着替えているせいで、少しダブダブだったが、それは
それで似合っている。
そんな格好の女の子が、俺の家の台所に立っている。
俺と同じ学校、同じクラス、隣の席。
あかりや志保ほど付き合いが長い訳でもない。それなのに、俺の家に居る。台所に
立っている。
教室に居れば端から見れば、ただの男子生徒と女子生徒でしかない。そんな俺達が、
今、同じ家の中でこうしている。
これが不思議と言わずとして、なんというのだろう。
「もうじきやさかい、そろそろ準備したって」
居間をしばらくうろうろしていると、台所からそう声がかかった。
声にほんの少し安心感を感じる。無事に作り上げられて、気が緩んだのだろう。
「皿とか並べるか」
「盛りつけたのとか、並べてくれるだけでええわ」
「オッケー」
今まで俺は動きたくて動けない状態だった。それだけに、手伝いたくてウズウズ
していた心が、バネのように身体を動かした。
「・・・・おお、すげえ」
盛りつけられた皿を見て、俺は意識せずに言葉が漏れた。
「・・・・は、はようしたって、見るんなら後でじっくり見てんか」
料理をじっくり見られる事が恥ずかしいのか、せかすようにして言ってきたが、
俺は生返事を返して、料理をじっくり見ていた。
メニューはトンカツだった。
衣の色もこんがりキツネ色でうまそうだし、その色をキャベツが引き立てている。赤い
トマトも、全体に色のアクセントを引き立てていた。
特に豪華絢爛な盛りつけでは無く、どちらかというとこぢんまりした物だが、俺には
十分すぎる程だった。それに、なんと言っても、委員長が一生懸命作ってくれた物だ。
「それだけやないねやから、はよう」
委員長は、照れくささ最高潮らしい。
「あ、ああ・・」
キッチンから皿を委員長の分と二つ持っていって、戻ってくると、豚汁と炊き立ての
ご飯が、勢い良く湯気を立てていた。
「くうう、たまんねぇな」
匂いを目一杯吸い込んで、俺は感動だけで胸が一杯になったが、同時に腹が急激に
空いてくる。
「そ、そんなんしてる場合やないて。はよ持ってって食べようや」
「おお」
お盆に乗せた汁とご飯を持って行く。
テーブルに全部並べてみると、派手さは無い物の、存在感だけはしっかりあった。
「委員長、はやく食べようぜ。さっきから腹が鳴って困ってんだ」
「うん、ちょっとまってや」
委員長は、火の元確認と、少しの片付けをしていた。
「そんなん後でもいいから、早く来いって」
「はいはい・・」
あらかた済んだのか、エプロンを脱ぎながらテーブルにやってきて、ちょこんと座った。
「んじゃ、もう食っていいか?」
「うん、ええよ」
ニコリと笑って、答えた。
料理が終わった事の安心感からだろうか。随分表情が和らいでいる。
そんな表情にジーンとなりながらも、俺は腹の虫の命ずるままに、箸を取り上げた。
「じゃ、いただきまぁす」
まず勢いよくご飯に箸を刺して、一口食べた。
湯気の勢いで思わずむせる。
次に、待望のトンカツだ。
食べやすいように切ってあるのがさすがだ。
「ソースかけへんの?」
そう言われて、俺は一瞬固まったが、慌ててソースをたっぷりとかけて、再び
箸でトンカツを一切れつまんだ。
「もっと落ち着いて食べたら? どこにも逃げへんって」
それは分かっているのだが、俺の今の腕を動かしているのは頭じゃなくて腹の方だ。
それでも、ひとつゆっくり息を吐いてから、気持ちを落ち着かせて、つまんだ一切れを
まるごと口に放り込んだ。
一回噛むと、じゅわっと肉汁があふれ出てきて、食欲に激しくパンチを食らったような
感覚になる。
うまい。素直にそう思う。
ふと気づくと、委員長が、じいいいいっとこっちを見ていた。
「な、なんだよ」
「・・・おいしい?」
ただ一言だけ、不安そうに控えめに聞いてきた。
自分に「おいしくありますように」と、願っているような口調だ。
「ああ、すっげーうまいぞ。委員長も食えよ、自分で作った物なんだからさ」
俺がそう言うと、眼鏡の奥の瞳が、嬉しそうにほそまった。
「よかった。まずいなんて言われたらどないしよ思うてた」
「馬鹿、言う訳ないだろう、そんな事。まずくたってうまいって言うぞ」
「そんなら、今、もしかしたらまずいかもしれないんやな?」
ちょっと悪戯な表情で聞いてくる委員長に、俺は瞬間的に、
「ああ、実はそうなんだ」と言うと、委員長は、
「えっ!」っと、驚いた風な声をあげた。
「ほ、ほんま?」
「・・・・冗談だよ。マジでうまいんだから、冷める前に食っちゃえよ。食わない
んだったら、貰っちゃうぜ」
俺の言葉を本心と信じたのか、ホっと胸を撫で下ろしていた。本当に不安だったんだな・・・
「ご飯とかおかず、まだまだおかわりあるねんから、良ければたくさん食べてや」
「遠慮しないで食わせてもらうぞ」
「遠慮ったって、ここは藤田君のウチやんか、遠慮するんはわたしのほうや」
委員長は可笑しそうに笑っている。
俺は、すでにトンカツとご飯を半分以上平らげていた。その合間に飲む豚汁のうまい
事といったら・・・
「関西風味ってのもこんなか?」
豚汁を置いて、訊いてみた。
「あんまり変わらへんけど、基本的にこっちの味でやってみてん」
「ふ〜ん」
「なんや? やっぱりまずいんか?」
「いや、うまいぜ」
「そか」
俺の言葉に心底安心したのか、委員長も自分の分を食べ始めた。
「いやぁ、普段が粗末な食事ばっかしだからな、こんなうまいモン食うのは久しぶりだ」
「そんなにホメられるもんとちゃう」
謙遜しながらも、やはり嬉しいのか、頬がほんのり染まっている。それは気のせいだろうか。
「やっぱり予習ってのは大事だな」
暇があったら勉強にでも応用してみるか。
「そないな事より、おかわりどう?」
俺の茶碗がほぼ空になったのを見てか、委員長が問いかけてきた。
「おう、頼むぜ」
残った飯粒を全部口の中に運んで、委員長に空の茶碗を差し出した。

 満腹。
ただ、腹が膨れるだけではこの言葉は使えない。
腹と心が全部満足した時に出る言葉だ。
今が丁度その時だった。
「ふう、食った食った。満腹だぜ」
腹をポンポンと叩いてみせた。
「用意したもん、二人でごっつぅ食べたもんなぁ」
委員長は台所で洗い物をしながら、そう言ってきた。
料理手順が良かったせいか、洗い物もすぐに終わって、エプロンで手をぬぐいながら
俺の座ってる居間のソファの所にやってきた。
「わたしも久しぶりにたくさん食べたわ」
満足そうな笑顔を浮かべた委員長が、俺の隣にトンと腰を下ろす。
「ほんま、気持ちのええ食べっぷりやったわ」
それが何より嬉しかったのだろう。どこかへ飛んでいってしまいそうなくらい
嬉しそうな顔をしている。
「ああ、なにしろ、こんなうまい家庭的なモン食ったのは久しぶりだからな」
「わたしも、こんな気分でご飯食ったんは久しぶりや」
確かに、委員長の家庭は母子家庭だけに、どこか寂しい所もあるのだろう。委員長が
小さい時は、もしかしたら、いつもこんな気分で飯を食べていたのかもしれない。
「おふくろさんとかと一緒に食べてるのか?」
聞くつもりはなかったが、気になったのと、満腹で気分がゆったりしていたせいで、
思わず聞いてしまった。
「うん・・・たまにな。いくら放任主義って言っても、ご飯はちゃんと食べさせてくれるし」
「ふうん・・・」
「でも、おらん時もあるんや。おかん、忙しい人やし」
委員長の目が、少しだけうつむき加減になったのを見て、聞くべきじゃないと思ったが
もう遅かった。
「そっか・・・悪いな。聞いちゃって」
「ううん、構わんよ。別に悲惨なこっちゃないねんから」
どこか取り繕った笑いなのは、やはりどこか本心で寂しがっているせいだろう。
食事を一人でポツンと取る事ほど寂しい物は無いと、俺も良く知っている。
「なあ、今度からさ・・・もしよければ、一人で飯食いそうになった時」
そこまで言った時に、委員長が続きを読んだのか、驚いたように目を見開いて
こっちを見てきた。
「そういう時んなったら、俺んとこ来いよ」
「・・・・・・」
「当分、ほとんど誰も帰ってこないうちだから、遠慮なんかしなくていいぜ」
「・・・ありがと」
小さな声だけが聞こえてきた。
「そしたら、今度は一緒になんか作ろうぜ? 委員長ばっかに料理させられねえから」
「ううん、わたしが来たら、作るのは全部やるよって、藤田君ちょっと手伝って
くれるだけでええよ」
嬉しそうな表情に限界が無いのかと思うくらい、心底からの笑顔を見せてくれる
委員長に、鼓動が跳ね上がった。
「藤田君」
「なんだ?」
「ありがとう・・・・」
「ば、馬鹿」
照れくさくなって、俺は鼻の頭を掻いた。
今さらこんな事くらいで照れくさくなるあたり、俺もどうかしている。
「わたし・・・出会えてよかった。藤田君に出会えてほんまによかった」
「俺もだ」
委員長の瞳に、もう曇はなかった。
その瞳をしばらく見つめた後、俺はゆっくりと唇を重ねた。
豚汁のせいか、ほんのちょっぴり、しょっぱい味がした。


 その夜、遅くまでTVを見たり、話合ったりして過ごした。
土曜の夜のなんとも不可思議な時間。
一人の時よりも、ずっとずっと特別の時間のように思えた。
今まで、土曜日の本当の楽しさを知らないで過ごしてきたのかもしれない。
そんな風に思えるほど、心地良かった。
時計の針も、気を利かせて、二秒進んだら一秒戻ってくれているんじゃないだろうか。
そんな風に感じるほど、ゆっくり時間が流れているような気がした。
やがて、一日の疲れが身体の奥をトロンとさせてきたのをきっかけに、
二人で俺のベットに寝る事になった。
しばらくベットに入ったまま無言で居ると、委員長が身体を寄せてきた。
そっと寄り添うような、そんな優しさを感じる。
「ねえ、藤田君」
優しく吹き流れる春風のような、囁くような声が聞こえてくる。
「・・なんだ?」
「今日は・・・・ずっとこうしててええ?」
俺のすぐ横から、か細い声が聞こえてきた。
部屋の闇に消えて無くなってしまいそうな、そんな声だ。
「ああ・・」
寄り添ってきた委員長の柔らかい温もりを、服ごしに感じながら、編みを解いた
委員長の長い髪に触れて、ゆっくりと撫でた。
「わがまま言うて・・・ごめん」
「いいよ。俺も今日はそんな気分だ」
今日の俺達の、口に出した最後の会話だった。
しばらくそのままで居ると、委員長の方から、小さく、ゆっくりとしたリズムの
寝息が聞こえてきた。
くすぐったいほど、心地よさそうな寝息だ。
眠ったのか・・・
闇夜で見えないが、きっと安心しきっているに違いない。俺はそう思った。
おやすみ、智子。
目を閉じて、心の中だけで話しかけた。
次第に、触れ合っている部分から、眠気がゆるゆると解け混んでくるような
気がして・・・・俺は・・・・・・・・・・・・

おやすみ。

後書き

 トゥーハート、委員長に激しくラヴ。
なにも言うまい。
ゲーム中の中では、かなりストーリーを作ってあるので、
補完しようがなかったんだけど、後日(しかもかなり近目の)
の話くらいならどうかなぁとか思って、ちょっとやってみました。
ものすごくやりづらかった(^^;
文の感じが、自分的にあまりにも馴染みやすくて、その分かえってやりにく
さが増すという感じで、、、(^^;

 作中、委員長委員長と言ってますが、やっぱり委員長は委員長で
でも750ライダーじゃなくて・・って、それはおいといて
委員長は委員長と呼ぶのが、主人公としても普通になって
来てるんじゃないかなぁとか思ったりしました。

 委員長書いてて苦労する点って、やっぱり関西弁ですね。
「わたし」を「ウチ」と書きたかったり、結構イメージを
ズラしてしまうような言葉を、極力省いたせいで、普通っぽい
関西弁になってしまって、こりゃ駄目だ。とか思うんですが、
いい訳みたいな文章も書いておいたから大丈夫かな、、タブン(^^;

 京都大阪神戸三都物語じゃないけど、京都圏と神戸圏ってどれほど
関西弁に差が出てくるんでしょうか。


作品情報

作者名 じんざ
タイトルTo Heart系のアレ
サブタイトル委員長
タグToHeart, ToHeart/ToHeart系のアレ, 神岸あかり, 保科智子, 来須川綾香, 長岡志保, 藤田浩之
感想投稿数296
感想投稿最終日時2019年04月12日 11時04分39秒

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コメント一覧(クリックで開閉します)

  • [★★★★★★] 呼んでいてこっちが恥ずかしくなっちゃいますね。
  • [★★★★★★] 原作の感じを壊さずに、いい感じだと思います。
  • [★★★★☆☆] 京都弁と神戸弁はかなり違います。ちなみに委員長のは大阪弁で神戸弁ではありませぬ。(伊丹市民の正直な感想)
  • [★★★★☆☆]
  • [★★★★★☆] 「…君」の箇所はデフォの名前で良いので何か入れて頂いた方が読みやすいと思うのですが?
  • [★★★★★☆] 少し静かめのな感じがしますね、今度は「お出かけ編」みたいのを読んでみたいです。
  • [★★★★★★] 「委員長に激しくラヴ」っすか...ま、わからんでもないですけど(笑)
  • [★★★★★★] これからも、がんばってください 。
  • [★★★☆☆☆] 委員長最高
  • [★★★★★☆] やっぱ愛ですね。委員長の話がどなたの話を読んでも良いのは”その後”を考えたくなるキャラだからでしょうか?逆にあかりは本編で”その後”がわかるくらいに完成してるので”あかりだけ”の二次小説は”キャラの壊れた”ものが多いのでしょうか(私の見たものにそう云うのが多かっただけか?)追伸、本とに居たらきっと仲良くなれずに終わりそうだけど委員長いいっす!
  • [★★★★☆☆] これからも頑張ってください。
  • [★★★★★★] ホントに面白かったです。
  • [★★★★★☆] もっとラブラブな委員長希望。
  • [★★★★☆☆] これからも、がんばれ。
  • [★★★★★☆] よかったです
  • [★★★★☆☆] 大阪弁がちょっと違和感あるとこがありました。神戸では〜しとお、とか言います。それ以外は良かったです。委員長って感じがしてました
  • [★★★★☆☆] 長い!
  • [★★★★★☆] 委員長(保科智子)はやっぱりかわいい!
  • [★★★☆☆☆] 私も委員長が
  • [★★★★★☆] いい!いい!いい!の一言———!!俺も智子に激ラブ、もはや何も言うまい
  • [★★★★★★] 後日談ではなく日常譚的なところが良いです
  • [★★★★★★] 次回作をお待ちしてます。
  • [★★★★★★] 委員長へのらぶがつまってますね
  • [★★★★★☆] ちょっとH〜なかんじになたり…
  • [★★★★★★] やっぱり委員長最高
  • [★★★★★☆] いいですね
  • [★★★★☆☆] けっこうよかったよ!最後まで読んでて全然飽きなかったし!
  • [★★★★★★] やられた