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作品一覧

  • プリンセスシスターズ [プリンセスクラウン][2005年10月02日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    「お姉様」
    グラドリエルは、辺りを二、三度伺ってから、シドラエルに向かって囁いた。それでも石の壁の城内には良く響いて、思わずグラドリエルは口を抑えた。
    呼ばれたシドラエルは、自らも辺りを伺ってから、そそくさと、柱の影に隠れているグラドリエルの元に駆け寄った。足音を殺す事に慣れていないのか、トトっと小さな靴音が響くが、グラドリエルの声ほど大きな物ではなかった。
    (初掲載:1999年12月04日)
  • エターナルウィンド 〜 digests 〜 [プリンセスクラウン][2005年12月06日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    潮を含んだ風が、船の上を吹き抜けた。
    空に帰った風は、仲間にこんな事をいうかもしれない。
    綺麗に輝く金色の髪を揺らしたと。
    誇らしげに。
    海の様に碧い瞳に見送られたと。
    切なげに。
    誰もがそう思える程、少女は美しかった。
    (初掲載:2000年02月02日)
  • 受け継いだもの [プリンセスクラウン][2005年12月06日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    ラベンダーのような色をした髪が、窓から入ってきた風にかすかに揺れた。
    グラドリエルの知らない母を知る姉達は、その髪を母親譲りだと言う。
    グラドリエルは、姉達に、自分の知らない母親の姿を重ねていたのかもしれない。
    わたしは、お母様のようになれるだろうか。
    そんな事ばかりが、いつもグラドリエルの頭の中にあった。
    (初掲載:2000年02月17日)
  • 海水浴狂詩曲 [プリンセスクラウン][2005年12月06日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    「旅に出ます。探さないでください」
    綺麗な文字でそう書かれていた手紙を読んだジェストナイの頬に、血管が浮かんだ。
    いつぷちっと切れて、血が噴水のように噴出すかわからないほどに。
    その文字を読む事なく手紙を握り潰してから、身代わりとして置かれていた人形を脇に抱え、彼はグラドリエルの部屋を後にした。
    この後、エリエルとシドラエルの部屋で、それぞれ姉人形と妹人形を発見したジェストナイの身体からは白いもやもやとした物が天に向けて飛び立ちそうだったのだが、かろうじそれをこらえたのは彼の並々ならぬ精神力ならではだったのだろう……
    (初掲載:2000年09月24日)
  • Power! [プリンセスクラウン][2005年12月06日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    耳を立ててみる。何も聞こえない。
    雪が、全ての音を吸い取ってしまったからだろうか。
    空を見上げて、大きくゆっくりと息を吐く。
    白く変わって、すぐに空気に溶け込んでしまう。
    さっきまで、ちらちらと雪を降らせていた雲が、ゆっくりと東の空に流れていく。
    それでもまだ春は遠い……
    (初掲載:2001年11月04日)
  • TUWAMONO [プリンセスクラウン][2005年10月02日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    コロシアムの観客の鼓動が一つになって、空気を大きく震わせた。
    ただ興奮と熱狂の渦だけが支配する。平和であればあるほど、それは増大する。
    一年に一度、日常という膨らみすぎた風船の空気を抜く為に必要な場であったのかもしれない。
  • プリンセス・ブラジャー [プリンセスクラウン][2005年10月02日]
    筆者:じんざ, 原作:プリンセスクラウン, キーワード:グラドリエル, シドラエル, エリエル, ジェストナイ
    グラドリエルの自室で、エリエルがベットに腰掛けたグラドリエルにずいっと迫った。
    その迫力に気圧されて、グラドリエルは思わず腰を引いてしまう。
    シドラエルも、グラドリエルに迫った。
    勢いこそエリエルには及ばないが、青い炎を思わせる熱さがある。